第5話 〜エリザベスの常識は常識外……!?〜

 私は、"ルルーノス"だけの時を戻した。

 更に言うと……やられた記憶も詰め込んである。

 トラウマにさせるためにな。

 まぁ、正直な話……殺さないと約束はしたからな。

そして、ギブアップすることだろうと思い、壇上から消えようとした……だが、、


「ま、待ちやがれ!!」


 ほう……? まだ立ち上がるか……根性"だけは"認めてやろう。


「ふむ。よく、あの技を食らってまで立っていられるな? 感心するぞ?」


「ハハ……何が感心するぞ……だ。この魔王族の面汚し雌豚がぁ……。敵に情けをかけてトドメを刺さないとは……それで、よく……第10代目魔王の始祖だと言えたな。」


 魔王族の面汚し? 魔王族と言うのは魔王の血筋の話か? 第10代目魔王の血を引いてるも何も……私は、第10代目魔王だが……?


 それと、雌豚雌豚とうるさいぞ。こいつ……。


 ……私は、そこにイライラしていた。


「早く、さっさと殺せ……」


「断る。貴様のようなゴミの雑魚は殺す価値もない。」


 と、言うとルルーノスは嘲笑いながら言った。


「ハハハハハ!! できねぇのかァ〜!? だったら、ギブアップさせてみろよ!! もちろん……言霊無しでなぁ〜!!ww 無しでも出来るだろ? あれぇ〜?

できないのかァ〜?? やはり、雑魚は……なにもできはし……ぐへぇ……!?」


 ルルーノスの顔を踏みつけて……顔面を床に押し付ける。


「頭が高いぞ……?? こんなチンケな優越感に浸りすぎているのは見下げた奴だな。」


 だが、面白い事を言ったな?


「言霊を使わないとギブアップさせられないか……。面白い事を言うなぁ〜。」


 私の足で頭を踏みつけられてもまだなお、ルルーノスは……減らず口を叩くのである。


「面白い余興だ。乗ってやる。言霊を使わずに……お前をギブアップさせた方が勝ち。そうでなければ、お前の勝ちだ。」


「ほう? いいのか?? そんな口を叩いて、俺は死んでも……ギブアップはしないぞ!!」


 とりあえず、私とルルーノスは……"契約魔法"を使った。私が言霊を使わないでルルーノスをギブアップさせなければ、私がギブすることとなる。

"契約魔法"は絶対だ。この魔法を調印した時点で、スキルや魔法でも変えることは出来ない。


「馬鹿がァ〜!! どんなに痛めつけたって、俺はギブアップはしねぇぞ!! せいぜい、後悔してギブアップするんだなぁ〜!! フハハハハハハハハ!!」


 私は、ルルーノスの目の前で指パッチンをした。


「ガシュッ…………。」


 ルルーノスの全身がバラバラになって消し飛んだ。


「あれ?? ある程度……加減はしたのだがなぁ〜?

これでも死んでしまうのか……なるほど。」


 やれやれ。仕方ない……。

このままだと……俺が負けてしまう。


 私は、先程……使った。前世の根源魔法で、元に戻した……。


「さっきみたいに、、蘇生してるぞ……。」


「化け物だ……化け物すぎる!!」


「死人を生き返させるのは……魔法の常識外だぞ!?」


 ━━━━何を驚いてるんだ??

 観客の連中は……たかが、ルルーノスを生き返させただけで、騒がしい。


 あれれ……? おかしいなぁ〜。アウェイ感が感じる……。


「……?? 何故だ!? バラバラになったはずだろ!?」


 惚けた顔でルルーノスは私の顔を覗く。


「どう? ギブする気になった?」


「馬鹿が!! ギブアップするわけ……。━━━カシュゥ〜…………。」


 再び、指パッチンして……ルルーノスを殺す。


「あらら? また殺ってしまった。でも、私の根源魔法で直ぐに元に戻せば……リスクなしで生き返る事が出来るのだ。これぞ……3秒ルールと言うやつだね。」


 観客席はシーンと静まっている。

 おや? シラケてしまった……?


 前世の時は、笑いが起きるぐらいになるジョークだったのだがなぁ〜。


 まぁ、流石に1万年も時を経たら……笑いの文化も変わりますか。て、言うか……恐怖しているぞ? そんなに私のギャグが寒かったのが……よし、暖かくしよう……。


「━━━━━━うむ……。布団が吹っ飛んだ?」


 またシーンとなってしまった。

 今度は、恐怖から「何言ってんだ? こいつ」と蔑まれてしまった。わぁ〜。選択肢間違えました……。しばらく、ボケを自重しなければ……。


 さて、軽く追い込むか……。

 私は、何度も何度も……死を繰り返しては、、時間で蘇生をして……最後にもう1回やろうとすると……ルルーノスは、震え出した。


 そして、容赦なく……殺し、、蘇生した。


「ん〜。物足りないから、もう1回……殺しておくか?」


「おい!! それだけで……殺すとか言うな!! ま、待って待ってく……」


「おっと……行けない。」


 うっかり……手を滑らせて殺してしまった。てへぺろ★……じゃなくて……。


私は、ルルーノスを蘇生した。


「貴様ァ〜!! 待ってくれと言っただろうが!!」


「あはは★ ごめんごめん、うっかりとw」


「あはは★ じゃねぇよ!! そんな、うっかり★ と言われて殺されてたまるか!!」


「いやぁ、中々に元気そうだね? もう1発やろうか?」


 私は、構えた……。すると、ルルーノスが萎縮して目の色が無くなり……即刻……土下座をしていた。


「すみませんでした。 俺の負けでいいので……ギブアップします。」


 なんだ、張合いの無い男……。

 だから、嫌われるんだぞ? まぁ、私と戦ったこと"だけ"褒めるとしよう。


「なぁ。あの有名なルルーノスをまるで、子供のように相手してたぞ……。」


「圧倒的な力を持っているのになぜ、有名にならなかったんだ?? あいつは、知らねぇぞ……。」


 観客席からはそんな声が漏れていたのだった……。

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