第16話 デートの計画 (雫視点)
私はたっくんとの電話を終えぐったりと全身の力が抜け、ベッドに座り込んだ。
「よ、よかったー! ちゃんと言えた!」
断られたらどうしようかと思ったけど無事OK貰えた、これもあの人のおかげかな。
するとタイミングを合わせたように私のケータイに電話がかかってきた。
『こんばんは、雫。拓真を上手く誘えたかしら?』
「うん! たっくんオッケーしてくれたよ、これも由紀ちゃんのおかげだよ。」
◇
2日前のお昼私は由紀ちゃんと二人で昼食を食べていた。
「雫って……好きな人とか居るの?」
由紀ちゃんからの突然の質問に私は苺大福を食べる手をぴたりと止めた。
「え、えーと……べ、別にい、いないよー」
「いやいや、わかりやすすぎでしょ」
しまった! めちゃくちゃ動揺してるのがばれてる!?
私は打開策必死に考えるも何も見つからずそのまま無言で苺大福にかぶりついた。
「誰が好きなの? この恋愛マスターの由紀様が相談に乗ってあげるわ。」
「え、いいの?」
「もちろんよ、私達もう親友でしょ?」
「由紀ちゃん……」
「さ、言ってみて?」
私は恥ずかしい思いをぐっと堪えて自分が小さい頃から好きで今も大好きな人の名前を言った。
「たっくん……」
「え、たくまん? 珍しいわね、紹介してくれたのは拓真だけどあまり親しそうには見えなかったけど?」
「え、えっとそれには訳があって____」
私は由紀ちゃんに私と拓真は幼馴染で昔両思いだったこと。今は訳あって距離を置いていることを伝えた。
「貴方達ってそんな昔から付き合いがあるのね……しかしたくまんが貴方と距離を置いていることはよくわからないわ」
「私嫌われちゃったかな?」
「安心して、たくまんはそんなに人を嫌ったりしないわ。でも気になるわね……雫、今度たくまんをデートに誘いなさい」
「たっくんとデート!?」
いくらなんでも早すぎる! まだ付き合ってすらいないのに!
「あのヘタレ野郎の本音を聞き出すのよ。たくまんも二人きりなら貴方のこと意識せざるを得ないもの。」
「で、でも私デートなんかしたことないよ?」
「ふふふ、そこはこの私に任せて! 服装から、デートスポットまで全部レクチャーしてあげるわ! そうとなれば早速今日買い出しにいきましょう、忙しくなるわよ!」
「う、うん頑張る!」
こうしてたっくんをデートに誘うことが決まった。
◇
『でもまだ油断しちゃダメよ? 明日が本番なんだから』
『うん! 教えてもらったことちゃんと生かしてたっくんに意識させてみせる!』
『ふふ、いいわね。じゃあ今日は早く寝なさい、夜更かしはお肌の天敵よ。』
「うん、おやすみ由紀ちゃん」
『おやすみ、雫。素敵なデートになりますように』
私は通話が終わるとベットから立ち上がり昔撮ったツーショット写真を見つめた。
「明日は私から目を離せなくするから覚悟してね? たっくん」
私は写真の中で笑っているたっくんにそう呟き眠りについた。
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