第14話 妹の事情聴取


(やべ、ずいぶんと遅くなっちまったな……)


 焼肉会はとても盛り上がり今現在時刻は10時30分親には外で食べてくるとは言ったものの雫達を家まで送り届けていたためかなり遅くなってしまった。


「ただいまー……ん?」


 俺が家のドアを開けると階段を降りてきた妹とばっちり目が合った。


「お兄ちゃんおかえり、遅かったじゃん」


「ああ、ちょっと友達を家まで送っててな。父さんと母さんは寝たのか?」


「寝たよ。私はこれからアニメ見るから。」


「はいはい、わかったよ。」


 妹が珍しく出迎えてくれたのかと思ったが……現実はそう甘くない。


 俺は妹の後を追うようにリビングへと向かった。


「お前も明日学校なんだから早く寝ろよ。」


「うっさい。言われなくてもそうする。」


 相変わらず口が悪い。そんな言われ方したらお兄ちゃん傷ついちゃうだろ……


 俺は妹の言葉に傷つきながらもコーヒーパックをマグカップにセットし上からお湯を注ぐ。


 俺は出来上がったコーヒーとクッキーを持ちダイニングに座った。


 そしてコーヒーを一口飲んだ。


(うん、美味い。流石は有名店のコーヒーだ。)


 このコーヒーは先日行ったコーヒーショップで買ったものだ。とても美味しくてよく愛飲している。


 そんなふうに夜中のコーヒータイムを満喫しているとアニメを見ていた妹が話しかけてきた。


「今日、誰と行ってきたの?」


「ん? 友達だぞ?」


「女の子いたでしょ?」


「な、なんでそう思うんだ?」


「女の子の匂いする。」


 え? 女の子の匂いとかなんでわかるの!?


 しかもなんかすっごく怒ってそうなんだけどなんで?


「女の子の匂いってなんだよ」


「香水。お兄ちゃんつけないでしょ」


 あーなるほど! 雫からいい香りがすると思ったらあれ香水だったのか。その匂いが移ったってことか。


 ん? でもなんでそんなことで佳奈が怒るんだ?


「それが何か問題でもあるのか?」


「だって、匂いが移るほど近くにいたってことでしょ!」


 確かに雫と近くに居たがそれも送り届ける時に皆んなとか並んで歩いた時にたまたま隣になっただけだし。


「まぁそうかもな。それのどこが問題なんだ?」


「え、えっと……それは……」


 佳奈はさっきまでの強気な態度とは変わり、顔が赤くなり少し照れてるように見える。


「変なこと聞くな! バカアニキ!」


 そういうと佳奈は凄い勢いで階段を登って行った。


 アニメの音が響くリビングに俺は一人残された。


「なんだったんだ? 佳奈のやつ。」


 俺は再びコーヒータイムに戻った。


 





 








 




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