第13話 焼肉は最高

店に予約の電話をしておいたおかげでスムーズに入ることができた。この時間は飲み会の団体客なども多いが、広々とした席を取ることができた。


 しかも個室なのでうるさく騒いでもなさ多少は問題ないなさそうだ。


「よし、じゃあ。姫宮さん! 乾杯の挨拶よろしく!」


「わ、私ですか?」


 雫は自分に回ってくると思わなかったのか目を大きく見開いてパチパチさせている。


「だって一番の功労者で今日の主役だもん。ね、皆んな?」


「おう、姫宮さんたのんだよ!」


「俺もいいと思う。」


「ふふ、雫。頑張って!」


「ほら、ね! みんなもこう言ってるし」


「わ、わかりました!


 そういうと雫は緊張しながらジャッキを手にした。


 そして俺たちもジョッキをもち雫の言葉を待つ。


「で、では、テスト終了記念と素敵な友人達に乾杯!」


「「「乾杯!」」」


 全員のジョッキがぶつかりキンといいおとがなって宴会の幕が切られた。


「くぅー! うめぇ!」


「テスト終わりサイコー!!」


「ああ、本当に最高だ」


 実にいい。テストから解放されたという感じがする。


「よっしゃー! やこーぜ!」


「まずはタンからな」


「まぁ常識よね」


 トングでタンを網に乗せるとジューといい音が鳴りじたり食欲をそそられる。


 そして焼けたタンにレモンを絞り口の中へ放り込む。


 たんの塩味とレモンの酸っぱさが口の中で交わり、最高の味になった。


「美味い……」


「おいひいー!」


「うめーー!」


「美味しいわ!」


「美味しいです!」


皆もそれぞれ美味の声をあげているところをみると焼肉は正解だったのかもしれない。


 タンを食べ終えると次次に肉を網に乗せ、焼いていく。


「あ! 忘れてた!ご飯頼も」


「そうだったそうだった必需品だな」


「俺も頼むわ」


「私も!」


「私もお願いします!」


「りょーかい! 人数分頼むね」


 結絆がタッチパネルを操作するとすぐに店員さんがご飯を持って現れた。


「よし、肉焼けたぞー!」


 ちょうどご飯が届いたタイミングで肉が焼けたらしい。ナイスタイミングだ!


 俺は網からトングで一枚肉を取るとそれをタレに潜らせ口の中に入れた。


 そしてすかさずご飯をかき込む。肉の旨みと、ソースの甘さが絡み合い絶妙な調和を奏でてていてやばいくらい美味い。


「本当に美味しいです……こんなに楽しい焼肉は初めてかもしれません。」


「それはよかった。俺たちも楽しんでもらえて嬉しいよ」


「うん! 僕もすっごく楽しい!」


「俺も今すごい幸せだー!」


「私も雫と一緒食べれてすごく楽しいわ」


「皆さん……はい! 私もすっごくすっごく楽しいです!」


 雫もしっかり楽しんでくれているようでよかった。主役が楽しまなきゃ意味ないもんな。


「さ、まだまだここからだぞ! どんどん食おう」


「「「おー!」」」


 楽しい焼肉は夜遅くまで続いた。

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