第10話 幼馴染 (雫視点)
私は勉強会から帰宅し、今現在今日撮った画像を見つめていた。
「ふふ、結婚してください……か。 ふふふふふ!」
たっくんの家でたまたま見つけた鉄の箱を見つけた。その中には昔たっくんが私宛に書いたラブレターが入っていた。
そこには今のたっくんが絶対に言わなさそうな言葉が数多く書かれていた。
それを私はこっそりスマホで撮り、今こうして読み返している。
「懐かしいな……。 あの頃はずっと一緒だった。」
私とたっくんはいわゆる幼馴染というやつだ。
小ちゃい頃からずっと一緒に遊んで、一緒にお泊まりや旅行に行ったりもしたっけ。
そんな楽しい日常を送っている中でさらに嬉しいことがあった。
「しずく、いつかぼくとけっこんしてほしい!!」
その言葉を聞いて私はとても嬉しかったのを今でも良く覚えている。
そして私も彼に答えた。
「じゃあずっとわたしのとなりでわたしをささえてね?」
彼もそれに応え、私の手を握ってくれた。
これからも彼とこうして一緒にいたいと思っただがその願いは叶わなかった。
私は中学進学にあたり、遠くの中学校に引っ越すことになった。
それから彼とは離れ離れになった。
そして高校に入学式私は彼も再会を果たした。
あの頃より背は大きくなり、顔はさらにかっこよくなっていた。
だが彼は何故か私を避けていた。
こちらから目を合わせてもすぐに目をそらされた。
さらには友達との会話で私と話したことがないなどと言っていた。ついつい「嘘つき」などと言ってしまったっけ。
ある日私は天野さんから呼び出されついていった
「雫ちゃん! 私と付き合ってください!」
私は何を言われたのかわからず困惑した。
え? 今私告白された? 女の子から? なんで???
本当に訳がわからないがとりあえず断ろうと思った。
「ごめんなさい私には好きな人がいるから。」
そういえば引き下がってくれるかなと思ったのもあるが実際事実だからだ。しかし彼女は引き下がってはくれず、天野さんの顔が私の間近まで迫り恐怖を覚えた。
(だ、誰か……!!)
そうおもっていた時私の前に人影が現れた。
その人影は私の幼馴染の霧海拓真だった。
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