第6話 幼馴染と友人2人

「えー! 二人とも姫宮さんとお昼ご飯食べたの!」


 昼休み後涼達に昼のことを話すと案の定驚かれた。


「涼うるさーい」


「だって、あの姫宮さんだろ? そりゃ驚くぜ!」


「本当にすごいわね、屋上で姫宮さんと会うなんて」


 まぁ、ほんとにあそこであったのは偶然だったが結果的には良かったのかもしれない。あそこで俺たちと出会わなければこの先も孤独を感じさせてしまう羽目になっていだろう。


「でしょでしょ? しかも連絡先も交換しちゃったもんね」


「マジで!? いいなー俺も姫宮さんと友達にりてー」


「私も友達になりたいわ。たくまん、私達も紹介してくれない?」


「それいいな! 流石由美だ!」


「うーん……」


 この二人なら雫とも仲良くやれそうだが……雫がどう思うかわからん以上なぁ。


 そう考えていると結絆がちょんちょんとかたを叩いた。


「姫宮さんに聞いてみれば? それが一番いいと思うよ。」


「それもそうだな」


 俺はスマホを出すと、素早くメッセージを送った。


『紹介しろって奴らがいるんだけど時間もらってもいいか?』


 メッセージを送って数秒後、既読がついた。そして返事が返ってくる。


『わかりました。放課後でいいですか?」


 俺はメッセージを確認し、涼達に伝える


「放課後ならいいってさ、どうする?」


「私はいけるわ」


「俺も」


「了解、じゃあ伝えとく。」


 再びスマホを取り出し、メッセージを送った。


『おう、それで頼む。』


『では、また放課後に。』





 そして放課後。


 俺たちは玄関で雫が訪れるのを待っていた。


「お待たせしました。」


「すまんな、急に呼び出してしまって。」


「いえ、全然大丈夫です。」


「とりあえず、立ち話も難だしどっか行こうか。」


 俺たちが向かったのは学校の近くにあるコーヒーショップ。高校生の財布には優しくない値段設定だが非常に高い人気を誇っている店だ。


 俺たちは注文を終え、相手ある席についた。


「じゃあ改めて、俺は拓真と結絆の親友藤島涼だ。 姫宮さんとは仲良くしたいからよろしくな!」


「私は一ノ瀬由紀、涼の彼女よ。 女同士仲良くしましょ。」


「はい、よろしくお願いします!」


 二人の自己紹介が終わったところで団欒が始まった。


最初は遠慮がちだった雫も徐々に打ち解けてゆき、もうすっかり彼らと仲良くなっていた。


「ねぇ雫、今度一緒に遊びに行きましょ? 私女友達と遊びに行くの憧れだったの。」


「うん! 是非一緒に行こ! 由紀ちゃん!」


中でも由紀とはもうすでに親友に近い距離感で話している。非常に好ましいことだ。


 そんなふうに二人の様子を見ていると、涼が珍しく真面目そうに話しかけてきた。


「サンキューな、姫宮さん紹介してくれて。由紀に女友達があんまいないこと心配してたからさこうして話してるの見ると、すごい安心する。」


「涼……」


 こいつはたまに本当にかっこいいことを言う。 


「それに美少女×美少女っていいよな!」


「いまので台無しだよ」


 そんなふうに話していると、結絆がちょんちょんと肩を叩いた。


「拓真、涼、会計ジャンケンのお時間だよー」


「よっしゃー! 絶対まけねぇー!」


「俺が負けるわけない」


「ま、わたしがかつんだけど?」


「私も負けません!」


「じゃあいっくよー! 最初グージャンケン……」


「「「「「ポン」」」」」


 その後敗北した俺は全額支払う羽目になった。



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