第7話 新人ちゃん 2

「先週話したよ……って、小百合さんが来ないことで頭がいっぱいだったか」


「……あー」


 それは言えてる。


「私の友だちのがね、高校生の子に社会経験積ませたいっていうからさ」


「ほう」


 成程ね。


 納得。


「ここなら、たまに忙しいぐらいだから、初めてのバイトにはぴったりでしょ」


「そうですね」


 忙しいよりも暇が勝つこのお店。


 たしかに、初バイトにはぴったりだ。


 社会経験の面から言えば、もっと忙しい飲食店でバイトした方が良さそうだけど。


 そんなことを考えていると、カランカランとドアが鳴った。


「おはようございます!」


 入って来ると同時に、元気よく挨拶をして勢いよく頭を下げた少女。


「おっ、来た来た」


「例の――」


「そうそう。この子」


 少女は頭を上げ、

「初めまして。今日からお世話になります、反町そりまちさとです! よろしくお願いします!」

大きな目を細めて笑った。


 その笑顔は、向日葵みたいに明るくて。


 笑顔がよく似合う可愛い子だなと思った。

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