第3話
「じょうくん、安価お願い!」
「川上さん、報酬は?」
「私の下着でいいかな?」
またきた。女は困ったら下着を報酬にしてくる。僕が依頼したわけでもないのにお金を払いたくないやつは手っ取り早い下着を選択してくるみたいだ。
「いいよ。報酬は依頼者が決めることになってるし、その報酬に応じて安価の内容は変わるしね。で、何を安価すればいい?」
「風間聡太くんと仲がいいんだけどそれ以上進展がなくて不安で」
(恋愛相談で下着を報酬にするなよ)
《聡太くん、最近私に冷たくて、辛いし苦しい》
川上さんの頭の上に文字が浮かび上がる。
「ひとつ聞かせて、どうしてそう思ったかわかる?」
「最近、テストの順位が落ちて志望校が厳しくなったからかなぁ」
「安価が成功しても風間くんの成績がさらに落ちてもいいの?」
「落ちてほしくはないけど私がもう限界なの」
《テストの順位よりも私。私だけを見てほしいの》
「わかった。川上さんの気持ちは理解したよ」
「じゃあ、安価してくれるの?」
「いいよ、ただし報酬は前払いだ。今履いている下着をトイレで脱いできて僕にください。ただし、紙袋に入れて見えないようにしてね」
《やっぱり変態だ。結構な女の子が下着で安価してもらってるって聞いてたけど生の下着を要求するなんて。それも脱ぎたてを隠してもってこいって》
川上さんの思っていることが文字化されて僕の目に映った。
(どう思おうが勝手だけど報酬を決めたのはきみだよ。よくもそんなふうに思えるよな)
「わかりました。今から準備してお渡しします」
「じゃあ、5限目の後の休み時間に安価をします」
…………………………
「風間くん、川上さんと仲良いんだって?」
「えっ?なんでそんなこと聞くの?」
「だって川上さんてかわいいから狙ってもいいのかなーって、それで探りに来たんだ」
「川上が決めることだし、俺には関係ないよ」
《いやだ!川上は俺のものだ》
「いいの?川上さん以上に大事なものあるの?」
「テストの順位上げないといけないんだ」
《本当はテストよりも川上のことが気になるけど川上もテストの順位下がってるからお互いのためにも俺はいま、身を引かなきゃいけないんだ》
「じゃあ、川上さんより勉強優先なんだね?」
「う、うん」
《川上の方がいいに決まってるじゃん。川上の成績も落ちてなきゃ引かないよ。久々に川上と会いたいしイチャイチャしたい》
「風間くんは勉強優先だからこれはいらないよね」
僕は川上の下着をパサッと机の上に置いた。
「え!?なんで女性の下着が?」
「これ、川上の脱ぎたての下着、風間くんが私のこと好きなら風間くんに渡してって言われたんだ。でも勉強優先だからいらないよね?」
「い!いる!勉強よりも川上がいい!」
《川上の下着だ!これでおなりたい》
「じゃあ、今日の17時に屋上に行くこと。その下着と勉強の成績が交換条件みたいなもんだからね。選択したのは風間くん、きみだよ」
……………
「川上さん、安価の時間です」
「はい」
唾を飲み込んで僕を見つめる川上さん。
「ひとりでオナニーするくらいなら私のオナホールを好きなだけ使ってください、ご主人様」
「ええ!?そんなこと言うの!?」
「言うも言わないも川上さん次第だよ」
「本当にそれで関係が良くなるの?」
「風間くんとお付き合いもエッチも全てできるよ。この世の全てがお互いしか見えなくなるぐらいにね」
「そこまで言ってくれるなら言います!」
………………………
風間くんと川上さんのラブラブっぷりは学校内で有名になった。
ただし、2人の成績は最下層に落ちたのは言うまでもない。
……………………
あとがき
報酬内容が変わればどうなるのか、
次は変えてみようと思います。
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