安価を求めてみんなが僕にひざまづく。

Rui ji 6

第1話 安価は絶対!

僕は学校の中の一部で有名だ。

僕は僕を頼りにする人にお告げを言い渡す。

そして依頼者はそのお告げ通りに実行をする。

あら、不思議。依頼者の願いが叶うのだ。

それが評判となり

そのお告げのことをみんなは『安価』という。


「じょうくん、お願い。私に安価して」

「中瀬さん、誰でしてほしいの?」

「啓太くん」

「報酬は?」

「図書カード5000円でいいかな?」

「報酬は依頼者が決めることになってるからそれでいいよ」

「啓太って隣のクラスのサッカー部のイケメンだね」

「うん、谷沢啓太くんのこと」

「それにしても純情なんだね、中瀬さんて」

「え?私って純情に見えるの?」

「うん、頭の上に純情って書いてるよ。

 じゃあ今日の放課後に安価するよ」

「よ、よろしくお願いします」


中瀬さんは見るからにドキドキした表情をしている。勇気を出して谷沢啓太に告白したいんだろう。


僕は特殊能力を持っている。目の前の人の考えてることや思っていることがその人の頭の上に文字として具現化されて僕の目に映る。


……………………………


「谷沢くん、隣のクラスの青川だけどちょっといい?」

「いいよ。どうしたの?」

「谷沢くんてかっこいいからモテるよね?」


《モテるに決まってんじゃん》

谷沢くんが心の中で思っていることが頭の上で文字化されて僕の目には見える。


「そんなことないよぉ、俺なんかよりかっこいい人いっぱいいるよ」

「彼女とかいるの?」


《まみ、かなえ、さち、あと誰と付き合ってたっけ?ま、女なら誰でもいいけどね、やれたら》

また具現化されて僕の目に見える。


「いないよ。彼女募集中。誰か紹介して欲しいぐらいだよ」

「いいよ。紹介するよ。清楚系?ギャル系?どっちがいい?」


《清楚系の初めてを奪ってめちゃくちゃにしたい》


「どっちでもいいかな。俺のこと好きになってくれるなら」


(ここまで思ってることと口に出してることが違うやつも珍しいな。中瀬さんみたいな聖女タイプには合わないよな)


「わかった。近々、女の子が告白すると思うよ。お楽しみに」


……………………


「中瀬さん、安価の時間です。必ず僕が伝えたままを実行してください。それをしなければ保証はしません」


「は、はい。お願いします」


《純粋で真面目な谷沢くん、私、頑張ってあなたに思いを伝えたい》


中瀬さんの純情な想いが頭の上に文字化されて僕の目に映る。


(ふぅ〜、中瀬さん真面目すぎだし、相手のこと理解しなさすぎ。そりゃ報酬で図書カード5000円を選択する女だな)


「『私のあそこは谷沢くんのせいでもうグチャグチャなの。今日の17時に屋上で1人えっちして待ってるから谷沢くんの肉棒でわたしをめちゃくちゃにして』以上、これが中瀬さんが行う安価です」


「え!?ええ?そんな恥ずかしいこと言うの?無理だよ。無理に決まってるよ」


「これがベストだよ。それ以外はないね。中瀬さんが決めることだから自由にしていいよ。図書カード5000円分の安価には間違いないからね」


「やる!やるって決めてたからその安価に従います」


中瀬さんは考え込んだ後に決心した眼差しで僕を見つめた。


…………………………


(ひとりエッチってしなきゃいけないのかな......でも安価ではひとりエッチって言ってたし、しなきゃね)


中瀬さんは屋上でスカート中に手を入れてひとりエッチをしはじめる。


「あん、んん、ぁっ.......」

学校の屋上でそんなことするなんて思っても見なかった。スリルと背徳間で興奮していつも以上に指が動いてしまう。


激しくなって我を忘れてしまった中瀬さんはふと谷沢くんのことを思い出した。


「きゃあっ!」


目の前には谷沢くんがいた。驚いた中瀬さんは声を上げてしまった。谷沢くんは中瀬さんを直視していた。


「中瀬さん........、さっき俺に言ったこと本当だったんだ。本当にひとりでしてたんだ。俺でよければいつでも手伝うよ」


「それって私とお付き合いしてくれるってこと?」


「それはエッチしてからだね。俺のこと好きなんでしょ?」


「私まだ男の人としたことないし、ちゃんと付き合ってからがいいの」


「まずは俺が初めて奪ってやるからさ。もうあそこぐちょぐちょなんだろ」


谷沢くんはズボンを脱ぎ始めた。


「きゃぁー!脱がないでぇ!」


「おまえが欲しいって言ったんだろ。まずは咥えろよ」


「むり!むり!青川くんの嘘つき!!」


「啓太!!なにやってんの」

「啓ちゃん、だれよ、その女」

「啓太くん、ひどい、私がいるのに」


3人の女性の声が聞こえてくる。

谷沢くんにとっては遊び相手のまみ、かなえ、さちの3人が屋上に現れた。


「え!なんでお前らがいるんだよ」

「17時5分ぴったりに屋上に行けって安価されたの」

「どう言うことだ?」

「啓太こそどういうことよ。かなえもさちも啓太と付き合ってるの?その中瀬さんも?」


「私、啓ちゃんとつきあってるよ」

「うそ?わたしも啓太くんと付き合ってるよ」

「いや、わたしだよ、付き合ってるの」


『ええ!?じゃあ、中瀬さんも入れて4股中?』


「い、いや、ちが、ちがう!俺は.......」

「いや、無理でしょ。死ね。バイバイ。

中瀬さんも帰ろ、4股するやつなんてさいてー」

「なんでこんなことになるんだよぉ〜!」


谷沢くんは全ての女性と関係が絶たれた。



…………………


「青川くん、安価ありがとう。おかげで目が覚めました。これからはもっと男の人の見る目を養います」

「報酬が図書カード5000円の依頼者にはまだ処女でいてもらいたかったからね」


僕は報酬内容に合わせて安価の完成度を変えている......



……………………………


あとがき


安価シリーズ第一弾です。

これからこの特殊能力でいろんな人からの依頼を面白おかしくこなしていきます。


ぜひ☆評価よろしくお願いします☆

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