第120話
「……」
とりあえず、俺がここに来た目的は達成したので穴倉さんたちに声をかけようとしたのだが……皆目を見開いたまま固まっている。
俺たちの行進に合わせてずっと実況解説してくれていたマスコミたちも、今は一言も発せずただただ黙って眼前を眺めている。
「穴倉さん。攻略は終わったので、とりあえずこれで終わりで大丈夫ですか?」
「……あ、ああ」
「それでは、お先に失礼します」
「……あ、ああ」
……大丈夫、だよな?
またマスコミたちに絡まれるのではないかと思ったが、特に声をかけられることもなく、その場を去ることができた。
【軍勢】、か。
今回手に入れた素材たちをすべて売却してみると、金額は二十五万ゴールドほどだ。
といっても、武器の代金二十万ゴールドがあり、素材だけでは五万ゴールドほどだ。
……うーん。今回はちょっと奮発して使いまくってしまったからあれだが、儲けを考えるならある程度ケチケチしたほうがいいかもしれない。
次からは状況に合わせて分身を作ればいいだろう。
とはいえ、BからAランク迷宮くらいなら分身たちでもどうにかなりそうなので、今後はそれに任せてしまうのもありかもしれない。
経験値も入ってくるのだから、それこそ前のように自宅に迷宮があればずっと分身たちに狩り続けてもらって無限にレベルアップできるというのに。
そんなことを考えながら、俺は自宅へと帰宅した。
澪奈とマネージャーの迷宮攻略ちゃんねるについて語るスレ149
65:名無しの冒険者
……テレビみたかおまえら?
66:名無しの冒険者
見たわ
唖然としたわ
67:名無しの冒険者
何かあったのか?
68:名無しの冒険者
新宿のあふれてた魔物たちが掃討されたんだよ
69:名無しの冒険者
おっ、マジか?
今朝和心クランがインタビュー受けてたときは難しい、時間がかかるって言ってたのにすぐ終わったんだな
70:名無しの冒険者
和心クランは何もしてない
71:名無しの冒険者
は? どゆこと?
72:名無しの冒険者
MeiQubeとか見れるなら直接みたほうが早いわ
一言で言うなら、マネージャーの新スキルがえぐすぎる
73:名無しの冒険者
新スキル? ちょっと見てくるわ
74:名無しの冒険者
まじあれやばすぎないか?
自分の半分くらいの能力の分身作れるってチートすぎんだろ
75:名無しの冒険者
>>74
おまえ優秀な冒険者なのか?
自分の半分の能力の冒険者作っても、Sランク冒険者たちでC、Dランク迷宮攻略できるくらいだぞ?
76:名無しの冒険者
>>75
半分のくらいの分身って本当なのか?
実際、本体と変わらない分身が作れているのなら、大したことないんじゃないか?
77:名無しの冒険者
>>76
分身系のスキルはほかにもあるけど、倍率はもっと低い可能性もある
解説していた人が使ってるのは自分の四分の一くらいの分身しか作れないから盾くらいにしかならないって
ていうか、仮に本体と同じ分身をあんなにポンポン作れるならそれはそれでヤバすぎるわ
78:名無しの冒険者
……え?
もしそれが本当なら、マネージャー自分の四分の一で暴走したBランク迷宮攻略したのか?
79:名無しの冒険者
まあ、本人が話してたし半分くらいの能力なんだとは思う
……なんだとは思うけど、その数が異常だし、そもそも半分くらいの能力でBランク迷宮、しかも暴走状態を攻略するのがヤバすぎる
80:名無しの冒険者
おい!
なんだよこれ動画見てきたぞ!
ヤバすぎるだろwww
一人で軍隊持ってるようなものじゃねぇか!
81:名無しの冒険者
だから冒険者みんなドン引きなんだよ……
82:名無しの冒険者
ずっとうるさかったマスコミたち含め静まり返ってたもんな……
どれだけあの状況が異常だったのかわかるわ
83:名無しの冒険者
てっきりあのあとインタビューでも受けるのかと思っていたからな……
ていうか、マネージャーさんすげぇな
もうあちこちで感謝とお礼の嵐じゃねぇか
84:名無しの冒険者
ただ、一部ではあの能力あってなんですぐに助けに来なかったんだという意見もあるな
そもそも、手に入れたのが昨日の迷宮攻略のこと誰か説明してやれよ
85:名無しの冒険者
やっぱりなんかヒーロー的な扱いされまくってるな
これから何があっても日本は安泰! ってバカかよこいつら
俺としては、これからも澪奈ちゃんと二人でのんびり迷宮攻略してくれるのがいいんだけどなぁ
86:名無しの冒険者
でもどうするんだろうなこれから?
部屋の迷宮なくなったし、どこかに遠征に行くのかね?
―――――――――――
ここまで読んでくださり、ありがとうございます!
『楽しかった!』 『続きが気になる!』という方は【☆☆☆】や【ブクマ】をしていただけると嬉しいです!
ランキングに影響があり、作者のモチベーションの一つになりますのでよろしくお願いします!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます