第63話
パワーワーウルフでのレベル上げ生活をしていると、あっという間に金曜日を迎えた。
「皆、久しぶり。今日も適当に魔物を狩りながらのだらだら配信になる予定」
澪奈の配信はすぐに20000人を超える人で溢れていた。
澪奈の声がすると、すぐにコメント欄が伸びていく。
〈久しぶり! 澪奈ちゃんの戦闘楽しみです!〉
〈今日はマネージャーはどのくらい戦うの? 切り抜き動画百万再生余裕で超えてて凄かったです〉
〈今見たら二百万目前やん……〉
「今日はマネージャーはあんまり戦う予定はないって。私も……ちょっとできること増えたから今日はそれを見せようと思ってる」
〈できること増えた?〉
〈楽しみ〉
澪奈も時間があるときにはここにきてレベル上げをしていたからな。
神崎澪奈(かんざきれいな) レベル35 筋力:95 体力:21 速度:138 魔法力:27 器用:58 精神:16 運:15
ステータスポイント:0
スキル:【氷魔法:ランク3】【剣術:ランク5】【銃術:ランク5】
装備:【ロングソード 筋力+9 速度+9】【ハンドガン 速度+9 器用+9】【ロングソード 筋力+3 速度+3】【ハンドガン 器用+3】
装備合計:筋力+12 速度+21 器用+12
澪奈もかなり強くなっていて、【剣術】と【銃術】のランクも上昇している。
澪奈とともに迷宮へと入っていく。
〈そういえば、冒険者のネット記事見ました! マネージャーが紹介されていましたよ!〉
〈イケメン冒険者って言われてましたね! 記事もよかったです!〉
……橋本さんの件だろう。
イケメン冒険者というのはさすがにやめてくれといったのだが、タイトルのインパクトが欲しいとかでそのままになってしまった。
〈なぜマネージャー? 澪奈さんのも見たいです〉
「あっ、それなんだけど。もともとマネージャーが記者と知り合いで、普通に話をしているときに迷宮を見たいってことになって……もともと記事を載せるためとかではなかったらしい」
〈マネージャーさん、交友関係広いんですね〉
〈なるほど……澪奈さんはインタビュー受けないんですか?〉
「私も実はインタビューを受けることになってる。具体的なことは話せないけど、そのうち私の記事も載るかも? まあ、インタビューの印象が悪かったら無理かも」
〈期待してます!〉
〈同じニュース記事ですかね? 絶対見ます!〉
依頼者からは、そこまでは話しても大丈夫だとは言われていた。
また詳細に関しては後日話せるだろう。
荒地エリアへと付いたところで、澪奈が剣とハンドガンを構える。
……対面するのは、パワーワーウルフだ。
こちらに気付いたパワーワーウルフが威嚇するように唸り、地面をけりつける。
俺が澪奈に【鼓舞】を使用し、澪奈が剣を構え、振りぬいた。
放たれたのは斬撃だ。
〈斬撃!?〉
〈それって高ランク冒険者くらいしか使わないスキルじゃねぇか!〉
〈斬撃を放つ女子高生って世の中にどれくらいいるんだ……?〉
〈俺は初めてみたぞ……〉
……コメント欄が、斬撃を見た瞬間に盛り上がっていく。
パワーワーウルフは驚きながらも寸前でかわしたが、そのかわした先へハンドガンが放たれる。
「があああ!」
澪奈は足を動かし、斬撃と銃弾で削っていく。
近づこうとしたが、パワーワーウルフよりも澪奈のほうが速度が高く、その距離は一行に縮まらない。
そして、追いかけていたパワーワーウルフの足が氷に包まれた。
「ぐ!?」
パワーワーウルフが叫びながら足にまとわりついた氷を砕いた。澪奈の【氷魔法】はさした威力ではない。
だが、その一瞬の硬直はこの戦闘の中では致命的だ。
澪奈がそれまで以上の威力の魔力とともに斬撃を放った。
パワーワーウルフが逃げようと横に飛んだが、腕が巻き込まれる。
よろめいたパワーワーウルフの喉を銃弾が突き破り、パワーワーウルフはその場で倒れた。
澪奈は慣れた様子でハンドガンを指でまわし、それからこちらに笑顔を向ける。
「というわけで、私は中距離戦闘に特化することにしました」
〈えげつないです……〉
〈澪奈ちゃん、いい笑顔……だけど怖い〉
「怖くない怖くない。ひとまず、こんな感じで戦闘を行っていきます」
澪奈が笑顔とともに戦闘を行っていく。
斬撃とハンドガンの組み合わせでの戦闘は、かなりウケがよく、視聴者も40000人ほどまで伸びていた。
澪奈の配信を眺めているときだった。
時間もいい時間になり、澪奈がスパチャを読み上げているときだった。
コメント欄に気になるコメントがあるのを見つけた。
〈澪奈さん。前所属していた事務所の人がなんか会見するみたいですよ〉
え? 『スピードフォーク』が?
……そのコメントは、俺だけではなく澪奈も気になったようだ。
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