第35話 オチのついた人間A
他の人と生きてる世界線が違うなら自分は一体どこを向いて歩いているのだろうか。
体力もなく、歩くことさえしんどい私にとって生きるとは必死なものでしかない。
世界の終わりの深瀬くんが『頑張ることって頑張らないことより辛いんです』と言う言葉が身にしみてわかる。
私の今の状態はそんな感じだからだ。
頑張ろうとすれば苦しくなる。
生きるとは死から逃げるようなものだ。
誰も死にたくないのは同じ気持ちだ。
だけど、小説は死を扱うことが多いし、殺人事件なんて鉄板中の鉄板だろう。
誰も助かる事のないメルヘン作品は存在している。
助かっても現実は酷いものだろう。
生きるとは死ぬよりも大変なものだろう。
死なない物語に終わりをつけるなら、最後は『めでたし、めでたし』か?
そんなもの小説だったらきっと読者に刺激がなくて買わないのがオチだろう。
だから、みんなオチがある小説を買ってオチで興奮するのだろう。
小説の中で死んだ人間は空想上の人でしかないから、死んでも大丈夫と思うのだろうか。
私からしたら小説上の人物も同じ人間に間違いはない。
生きたかったのに生きられなかった悲しい人間Aとして心に残るはずだ。
さようなら、人間A。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます