第5話 引いてダメなら押し倒せ

※全年齢向けの内容ではございません。15歳未満の方の閲覧はご遠慮ください

※過激な描写を減らしより全年齢向けに修正したものになります。修正前のものが読みたい方はプロフィールに貼ってある別サイト(ムーンライト、pixiv)のリンクまでどうぞ

※性行為の描写はありませんが、それを示唆する描写、単語があります。閲覧は自己責任でお願いいたします。

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「んふふふふ……♡♡♡たっぷり私のナカに出していいからな……♡♡♡」

「っ、射精なんてできるか…っ、避妊をしていないだろう…ッ!!」


頬,首筋,胸,腹…。順に下へとキスを落としながら,その身体を露にする。大好きな贈り物のラッピングを解くことへの喜びに震えながら呟けば、彼は眉に皺を寄せて声を荒げた。


「なぁに心配するな♡このまま無責任に種付けしてくれ♡♡♡」

「なッ、!そんなことができるか、俺は―――」


何だ?愛する者がいるのに他の女なんて孕ませられないって???そんな言葉を聞きたくは無くて、そっと彼の唇に人差し指を置いた。


「大丈夫、責任を取れなんて言わないぞ♡♡」


「…は、…」


私の言葉に、彼は目を大きく見開いた。

その反応を見て、このままだと彼は納得せず、無駄に強い鋼の意思で中出しをしてくれないと判断する。仕方なく一度動きを止めた。


「君がいなくとも、私が責任をもって育てよう…♡片親でも寂しい想いはさせないし、生活面でも不自由はさせない。君は君が見定めた女性と、温かな家庭を築いてくれ♡♡」


私は君に注ぐ筈だった溺れる程の愛情を、一匙一匙掬って子に与えよう。

血流により赤らんだニールの耳。私の子はその特徴的な形を受け継ぐだろうか。彼の形が愛おしくて「っふふ、」と笑いながら耳に口を寄せる。


「一晩だけ」


「今日で最後だから、ね?」


内緒話をするように、そっとその耳に囁いた。

無言のニールを見て私は媚薬を煽り、再び彼の唇を奪う。君はまともだから、私がこういっても責任を感じてしまいそうだから。さぁまた正気を失ってくれ。お願いだから、あと少しだけ私のニールでいて。

甘ったるいそれを注ぎ込むと,彼の喉仏が大きく動く。そのまま舌を絡めたのに、何だか反応が鈍かった。まだ抵抗があるのだろうか。すぐにそんなもの,溶かしてあげるからね♡そう思いながら最後の一枚を脱がせようとした瞬間だった。


「蜍輔¥縺ェ?√%縺ョ鬲泌・縺鯉シ」


彼の唇から漏れる、感情が削げ落ちたような低音。それが呪文だと理解する前に、肌を覆う粘膜がざらついていくのを感じ、はっと自身の身体に目を向けた。するとそこには、ボロボロと灰のように枯れ落ちる触手があった。


―――魔法封じの呪文

それを教え、魔力のない彼に魔法石のピアスを与えたのは私だった。

ああ糞、彼の命を守るための行為が、私の首を絞めるなんて。彼を拘束していた触手が剥がれ落ちていく様を茫然と視界に映していると、視界が大きく反転した。


「……」


見下ろす彼の視線は冷たく、シーツに両手首を拘束するその握力は遠慮がない。折れそうな程の痛みに、彼の身体能力の高さと、自分は魔法が無ければ只の小娘同然だという事実を実感する。…これでは、彼を襲うこと等できやしない。


「…やだ、」


呆然と声を漏らす。それを切っ掛けに目頭が熱くなって視界が滲み、嗚咽が漏れた。嫉妬、後悔、悲哀、虚構、それらがぐちゃぐちゃに混ざり形容できない何かになって、涙となり溢れ出る。


「やだやだやだッ!!抱いてよっ、抱いてよッッ!!!」


腕は塞がれ彼を捕らえられないから、必死に彼の腰に脚を回して引き寄せようとする。でもこんな力じゃ彼を動かすことなんてできなくて、少しも埋まらない距離に視界が歪む。

あんまりだ、あんまりだ。君が心変わりしたのに、私は君を、ちゃんと手放すのに。だったら最後くらい、いいじゃないか。


「…うぅっ、えっち……えっち、してよぉ……一夜で、いいのに…あと一回だけ、くれたらっ……」


これから先、その思い出だけで、生きていくのに。


「っ、ひ!、なに…!」


力無く泣き喚いていると,急に彼の顔が近づいて声をあげる。驚きのあまり閉じた眼を恐る恐る開く。ーーーそこには,瞳孔の開いた彼の眼があった。


「いい加減にしろ」


奈落の底のような声が聞こえて、ヒュ、と喉が鳴る。…彼が、怒っている。そう意識した瞬間、一気に血の気が引いていく。


「擦り寄ってきたのはお前で、その気にさせたのもお前で、引き返せなくさせたのもお前だ」

「ただ子種が欲しかった?それとも前のように快楽を求めただけか?」

「…どうでもいいが、今更俺を捨てられると思うなよ」


捨てる?……私が?君を?

あれ、もしかして私、とんでもない勘違いをした上に、どうしようもない勘違いを彼にさせているんじゃ―――


「ニ、ニールまて、まってく――――」


弁解しようと口を開いた瞬間,ゾッとする程の低音が耳に注ぎ込まれた。


「俺の子が欲しいんだろう?今更身勝手に拒否できると思うなよ」

「~~~~ッッッ,!!♡♡♡」


ーーーー妊娠した♡♡♡♡

実際に妊娠した訳では勿論ない。でも彼の声が鼓膜を震わせた瞬間,ブチンッと何かが切れた音がして、本当に孕んだような心地がして,脳内にドギツイピンク色に染まり切った。


「にーるぅ♡すき!♡だいすき♡♡さっさと一秒でも早くおかしてッッッッ!!!♡♡」


すきすきだいすき♡♡♡だからどこかにいかないで、わたし以外をだかないで、わたし以外に挿れないで、わたし以外は愛さないで♡♡♡♡

誤解も浮気も一旦置いて早く挿れろと下半身と直結した脳が叫ぶ。その勢いで瞳に♡を浮かべながら彼の首裏に両腕を回したのに、一瞬彼が動きを止めてしまった。なんでなんでなんで!!わたしはこんなに好きなのに!!悲しくて腰に足を回し、だいしゅきホールドをかます。そのままの勢いで彼の唇にキスを落とせば,求めていたものは与えられたのだった。

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元ビッチ魔術師ちゃんは堅物騎士くんの為に清楚系になるそうです @sususususususususu

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