飽きさせる隙を与えない、軽快なテンポで進んでいくストーリー。一話一話に魅力があり、もっと続きを読みたくなる。謎めいた書き方は、作者の文才。二夜目はどうなるのだろうと思わせておいて、閉める。そして、読み手は夢に捕らわれるのだ。さて。彼らはこの先どうするのか。どうなるのか。そんな事を思いながら、眠りにつくのも良さそうである。
あなたは夜に夢を見るだろうか。一晩でいくつ夢の世界を旅するだろうか。では、夢とは何だろう。これは、一晩で見たいくつもの夢である。それぞれの夢は、何を伝えようとしているのか。何を見せようとしているのか。そこにはきっと謎が詰まっている。それは願望であったのか、それとも別の何かであるのか。この謎めいたところが、この作品の何よりの魅力だろう。読めば読むほどにどっぷり物語へと沈んでいく。ぜひご一読ください。