◆今日の邪神さん『ツァトゥグア』

 ◆本編ぶった切り上等! 

     今日の邪神さんのコーナー◆


 さぁいよいよやってきたよ。

 今日紹介するのは、旧支配者にして四大霊の一角、土のツァトゥグアだね。


 主人公アサヒ達も深淵アビス入りして、化身でない邪神そのもの(作中では虚神と書いて『ラヴクラフト』と読ませているよ。作家のラヴクラフト御大はこの世界では存在しないんだ。ごめんね創造主)との初遭遇だよ。


 その割に、雑に処理されたわけだけど大丈夫。邪神さんたちは基本的に不滅だからね。今回は食後に軽く運動してたらスコップでぶん殴られたから、なんだよもーって感じでン・カイの闇に帰っていったんだね。


 で、現実世界のツァトゥグアの話だよ。


 初出は、クラーク・アシュトン・スミスの短編『サタムプラ・ゼイロスの物語』だよ。でも、その一年前にラヴクラフトが『闇に囁くもの』でちょっと登場したりするよ。二人は交流があったので、先走っちゃったんだね。


 スミスとラヴクラフトでは設定がちょっと違うらしいよ。


 スミス版のツァトゥグアは、全身が短い柔毛めいたものに覆われており、どこか蝙蝠やナマケモノを思わる。ずんぐりしていて腹がせり出している。おぞましいヒキガエルににていて、眠たそうな表情をしている。などどこかコミカルで愛らしさがあるよ。


 ここから、怠惰という属性を振りたくなるけれど、その通りで、彼は積極的に人間に害を与えたり活動するタイプではなく、むしろ太古から人間に魔術や様々な恩恵を与え、自身を崇拝させていた神でもあるよ。


 彼の信奉者の筆頭と言えば、『魔道士エイボン』に出てくる、エイボンの書を記したエイボンだね。彼はツァトゥグアの熱心な信奉者だったよ。ラヴクラフト版でも、北米の地下世界で人間たちに崇拝されていたね。


 このように、自身は何もせず、周りを働かせるスタイルは、その外見と相まって、怠惰の王という称号がぴったりだね。


 さて、本作『仕事ぶっち』(マイナーズハイでもいいけど、個人的には仕事ぶっちが好きだよ)では、邪神さんたち全員、地下世界『深淵アビス』に閉じ込められているから、人間の信奉者を作れず彼も自ら動くしかない状態になっているよ。


 彼は殺意高めのほかの邪神さんたちよりもかなり人類種に好意的ではあるんだけど、今回はおなかがすいていたからしょうがないね。ついおやつ感覚でもぐもぐしちゃったよ。あげくにアサヒにスコップでひっぱたかれて可哀そうだね。軽くイラっとはしたけど、暴れるとまたお腹がすくな~と思って、実力の10分の1も出さずに地底に引っ込んだよ。


 ちなみに、作中世界で基本的に旧支配者=虚神ということで扱っているよ。

 

 作者はこのツァトグゥアはかなりお気に入りの邪神さんなんだけど、創作物ではあまり人気がない状況だよ。大人気で美少女化もはたした生ける炎クトゥグアと名前が似ているのが原因の一つだと思っているよ。


 まぁぶっちゃけ、美少女化してる小説・SSもあるよ。作者はそれが昔大好きだったよ……。ネットの海に今でも漂う伝説の作品だよ。

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