少女は、花を見つけました。

「私ね、この花と一つになる」

「ナゼ、一瞬ノ生命に、ナロウトスル?」

 と、大柄な異相者はたずねました。

 ……。

「すきになれるかなって、そう思えるから」



 善き同伴者を得たかのように、


 色香に充ちて、


 知性はつめたく、


 感情はあったかく、


 やさしいものであればいい。


 みんなに、


 生きるということに、


 やさしいものであって欲しい。


 そういうものであって欲しい、


 やさしさというものは。


 生きるということは、


 一方的なものではなく、


 みんなが生きたいという、


 気分を持つことができればいい、


 これまで、これからも、


 ずっと、ずっと、


 そんなように、


 花は ありました。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る