第15話 壊れ始めた人格
起床すると外は真っ暗になっていた。不規則な生活‥といってもまだ2日だけなのだが内容が濃すぎて相当な疲労が溜まっていたようだ。
とりあえず冷蔵庫から適当な物を食べて、地下室にいる女の様子を見にいく事にする。何をするにも金が必要なので、無理やりにでも聞き出すしかない。
地下室へ向かうも、やはりペットボトルの中身は減っていなかった。置いて行った食糧も全くの手付かずだ。
‥‥このまま死ぬつもりか??まあ、もうそれでもいいかもしれないな。
ああだこうだと、この女の事を考えている時間が無駄だ。たとえいくら改心していようとも、この女が俺にしてきた事は生涯忘れられない物だ。
この女の事を考える暇があるのなら、今後の事に考えを巡らす方がよっぽどいい。
俺が入ってきた事に気づいてきた女は、悲痛に満ちた表情で何かを言おうとしている。また謝罪の言葉でも口にしようとしているのだろうか。こちらが話しかけた時以外、もう喋らないで欲しい。
どうせ我が身可愛さの表面上だけの謝罪に違いないのだから。
「現金と通帳の場所、そして暗証番号を教えろ」
女はか細い声で「ごめんなさい‥」と言った後、素直に場所を教えた。言われた場所に確認しに行くと、確かに現金と通帳があった。
これでとりあえず金の心配はない。復讐の為にはまず道具が必要だ。ネットで小型カメラを複数、スタンガン、警棒、マチェット、サバイバルナイフ、ロープ等、一般人でも簡単に持てる凶器を可能な限り選んで購入した。
アレ‥?俺また笑ってる‥?
出来るだけ小型で殺傷力の低そうな物がいいな‥血はどれくらい出そうかな‥どんな声でアイツらは鳴くんだろうな‥命乞いしたら笑えるな‥あれだけ偉そうにしていた奴らの断末魔はどんなものだろう?
一度で殺すなんてとんでもない!!!俺がどれだけ‥どれだけどれだけどれだけどれだけどれだけーー
鞄に一度に全て詰め込めるくらいの大きさが1番良い。もちろん殺傷力が低いのを選んだのは、何度も苦痛を味わってもらうためだ。簡単に済ませても面白くも何ともない。
配達まで少し日がかかる。届くまでの間、精一杯身体を休ませて、作戦を練ろうとしようか
あれ?凄え楽しくなってきた。何がおかしいんだっけ?分からない。
スマフォが軽く振動した。
『メールするの初めてだね♡ 今から電話してもいい??』
一応LINEの交換は前から済ませてある。している事がバレると、優愛に危害が及ぶ可能性を考えて今まで使った事はなかったがもうその必要もない。誰も俺たちの邪魔をする奴らはいない。
女は既に家畜にしたし、これからクソ野郎共は皆殺しにするんだから。
俺は小躍りしながら、手に取ったスマフォにキスをした。
ああ‥優愛優愛優愛優愛優愛優愛優愛‥俺が優愛を守ってあげるから‥
LINEの使い方かんて知らない電話を鳴らした瞬間、優愛の可愛らしい声がすぐに聞こえる。どうやらスマフォを今か今かと待ち構えていたようだ。
他愛もない話をしていたが、メールの使い方が分からないと事を言うと「彼氏のメールを待つドキドキ感を味わいたい」という理由で早く覚えろと念押しされた。
改めて俺の彼女が可愛すぎる。だからこそ、優愛の脅威は排除しなければならない。徹底的に。抗う気力すら失う程に。
荷物が届くまでの2日間、疲労の回復にのみ努めた。毎 優愛と電話して、彼女の安全確認も出来ている。
身体は完全に回復し無事に荷物も届いた。あとは下準備だけだ。
さてと‥時計を確認する。いい時間帯だ。この時間ならまだセキュリティーは作動していない筈。生徒は当然皆帰っており、教師もまだいるかいないかくらいの時間帯だろう。
俺は皇冥学園に忍び込み、自クラス、いつも暴行を受けている人気のない場所にカメラを設置する。
細心の注意を払っていた為バレる事なく帰宅できた。
優愛‥もう少しだよ?もう少しで俺たちの‥‥
舞台開演までもう少し‥
世良恭平、早乙女千尋、相川達也、そして‥‥
橘 誠也
せいぜい今この時を楽しむといい。本当の恐怖を教えてやる。
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