リドルとエーシャ 大男シウオ "十字修道女議会"
シスターは、優しくリドルの肩をつかんだ。
「落ち着いて話しましょ、シウオは檻へ!!」
「アイ……」
リドルはシスターの名を呼んだ。
「エーシャ……」
シウオといわれた大男は、しぶしぶと自分から檻へと入っていった。やがて、シスターはその教会の庭に、リドルを誘い出した。
「どうしてまだ仕事にとりかかっていないの?」
「ふん、どうせ簡単だろう、すぐに終わるさ」
「……」
冷たい顔をして座るリドルを見下ろすシスター。彼女にも、事情があった。
今朝、そのシスター・エーシャは”十字修道女議会”に呼び出されていた。最高意思決定機関である“教会議会”の助言組織である。
「シスターエーシャ、本当にあの男に頼むのですか」
「ええ、今度の件は”彼の本音”を探り出すにはいい機械です」
シスターエーシャに呼びかけたのは顔の見えない黒い布を被ったシスターたちだ。それが半円をえがく机、椅子にこしかけ、その前に座るシスターを囲うようにて圧をかけている。
「あなたにあの男を任せておけば安心だと思ったから、まかせているのですよ、しかしあの男は不真面目なまま、もう一度"厳粛な裁判"を開けばあの男もシウオと同じように……」
別のシスター議員がいう。
「まあまあ、お姉さま……早期を荒立てないで、なんだかかんだあの男は解決できない事件を解決して、教会に貢献してきたではありませんか」
「ぐっ……」
そこで中央に座している、明らかに議会の議長らしき風貌の金色の修道着をきた老齢の女性シスターが声をだす。
「いいでしょう、この件はシスター・エーシャにまかせます、ですが、もし怪しい動きをしたり失敗したらいつだってあの男と、お前に痛い目をあわせますから」
エーシャは一言
「感謝します」
と言ってその場を去った。
そして現在、件の庭に戻る。
「ねえ、どうしてあなたは私に本音を話してくれないの?あなたの味方は数少ない、私はあなたに仕事をあっせんし、何度もあなたの身を守った、けれど……そんなことどうだっていいのよ、私はあなたを見込んでいるのだから……本当の事を話してほしいの」
「何を?」
「あなたが何を悩んで、やる気をださないかってことよ」
「過去に耐えられない」
「かつて友を見捨てて逃げたこと?」
すると奇妙な間をおいて、すわっていたリドルが頭をうしろに翻しシスターと空を見ていった。
「それだけじゃないって、あんたもわかっているだろ?」
シスターは遠くをみていた。
「そうね」
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