ジュヴァルの誕生

「ここは……どこだ」

 呼び出されたオリエラは、まだ過去の意識を保っていました。けれど悪魔と呼ぶには、あまりにも凛々しく美しかった。そこへ、むしろ本当の悪魔とよぶべき、醜い怪物が現れました。


 片目がやけこげ、顔半分が憎しみで歪んだ女性。オリエラはしっていました。その女性こそ、シスター〝ゲルア〟といい、オリエラの姉でした。

「オリエラ、また会ったわね」

 オリエラは怖れに顔を歪ませました。実はオリエラはもともと優秀な中央のシスターだったのですが、シスターである姉にはめられ、この地に飛ばされたのです。それだけではなく、ゲルアはシスターオリエラを幼少期から恨んでいました。なぜなら、ゲルアはとは母が違い、父が浮気という不貞のためにうまれた娘であり、そのことでオリエラに対し、嫉妬のようなものを感じていました。実際、シスターを目指すのは大変なことでした。一時期はうらんでいたが、恨めば恨むほど、姉にひどい仕打ちをうけました。何よりその姉の顔の怪我は、物心ついた頃に姉が、くるって自分をよく煮えたぎった油鍋の中にいれようとして、オリエラが抵抗し、皮肉にも自分の顔を怪我した時のものでした。でもオリエラは、彼女の事を、その秘密さえ守りました。彼女がシスターになりたがっていたので。

その顔は同情を集め、そして信心深さが認められ、二人のシスターは中央教会につとめ、順風満帆な暮らしをしていたのです、姉と喧嘩をする事もほとんどなくなっており、オリエラは恨みは解消されたかのように思っていたのです。

「姉さん、どうしてここに」

「あんたに恨みをぶつけるためにだよ!」

「私は、でも、姉さん……大人になってからはいい関係だったじゃない」

「ああ、あんた知らないのかい、あの優しい神父、私たちの面倒を見てくれた神父はあんたにほれていたんだよ!!」

「!?……」

「ふふ」

「でも、それだけで、こんな事、子供たちに悪魔召喚をさせたの?」

「あの神父は、私の悪口をいっていた、顔が醜いとか、本当は心が醜いだとか!!私がこんなに愛していたのに!!」


 ゲルアは、なにがしかの呪文を唱えると、オリエラを痛めつけ、悪魔に命じました。

「やつを悪魔化させるんだよ!」

 苦しみの中で、子供たちに助けをもとめるオリエラ。

「強い宗教こそただしいと母さんがいっていたよ」

「魔女狩り、で魔女にされた人間は、弱いんだ」

 やがて、彼らはオリエラを悪魔にささげ、オリエラを悪魔化させた。


 魔女の力などなかったのに村のために自身を犠牲にしたオリエラ、

その絶望はそれだけではなかった。その子供たちというのがあるシスターの吹聴によってその遊びを、悪魔召喚の儀式を行い、それを吹聴したのが今までさんざんな悪意を許してきたそれこそオリエラの姉だったこと。オリエラの怒りは頂点に達した。


その後……ジュヴァルが生まれた。オリエラの転生した悪魔といわれてえいる。この村の子供などを誘い、誘拐し、殺してしまうという話だ。

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