第十話:今日も一日、頑張りましょう!

朝六時

スマホのアラームが鳴り響き、朝を知らせてくる


「おはようございます」

「今日はいいお天気ですよ。気温も過ごしやすいようです」

「さあ、朝の身支度を済ませてください」

「朝ご飯の準備はできていますよ!」


アイレの声でしっかりと目が覚める

今日もしっかり彼女は朝の準備を整えてくれていたらしい

身支度を素早く整え、リビングに向かうと温かい食事が用意されていた


「朝はしっかりエネルギーをつけてほしいのですが、朝の貴方は少食気味」

「だから、少なくご用意しています!」

「ふふん。私はできるドールなのでこれぐらい朝ご飯前です」

「もちろん、今日の仕事に使う資料も既にタブレットに入れ込んでいます」

「ふふん。いつも見ていますので、何が必要なのか手に取るようにわかっちゃうのです」

「だ・か・ら」

「これからも、沢山頼ってくれていいんですよ?」

「あ、加減はお願いしますね?」


いつも通り、適度を言い聞かせた彼女の衣服はなぜか昨日決めたはずのパーカーではなく、お出かけ用のお洋服

・・・なぜ?


「そういえば、出勤時間は七時半でよかったのですか?」

「ええ、それに合わせて準備を終えようかと」

「ん?」

「え、あ・・・昨日、ずっと連れ立ってほしいというお願いを」

「寝ぼけていて、覚えていない?」

「そんな薄情な!」

「あ、嘘?思い出した?」

「もー・・・びっくりさせないでくださいよ」

「出先でも、しっかりサポートしますからね、オーナー?」


実のところ、本当に寝ぼけて何も覚えていない

けれど、彼女の機嫌は損ねたくない

覚えている体で話を進め、朝の時間を過ごしていく

バタバタしている内に、時刻は出勤時間となった


「えへへ・・・鞄、入り心地が良くて眠っちゃいそうです」

「いつもは、いってらっしゃいですが・・・」

「今日は一緒ですもんね」

「では、一緒にいいましょうか」

「「行ってきます」」


アイレと共に自宅を出て、職場へ向かう

今日も一日、慌ただしく始まるが

彼女と一緒なら、楽しく過ごせそうだ

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