第2話 少年よ大志を抱け
「雪乃先生おはようございます」
「おはよう、ってあなたなんでウチにいるの?」
「お忘れですか?先生がラーメンを食べたいと言っていて、そこが遠いから僕の車で行こうって流れで..」
「ああ、わかったストップ、でも普通泊まり込む?」
「朝が大の苦手で、起こして欲しいって言ったの先生ですよ」
「わかった前言撤回、とにかく朝ごはん作って」
「先生寝ぼけてるんですか、ラーメンの肉ましまし全部のせスペシャル食べるから、朝は抜くって言ってたでしょ」
「ああ、そうなのね、ごめんなさい振り回して、朝は鈍いのよ」
「先生の意外な一面が見れて、なんか得した気分です」
「あーあんた、この事喋ったら、絶交だから」
「安心してください、先生以外に交友関係ないですから」
「何それ、ゾッとするわね」
「僕って、学校行ってないんですよ、人付き合いが苦手で」
「だとしても、学生の本分は全うしなきゃ」
「痛いところ突きますね」
「なーんて私も言えた口じゃないんだけどね」
「不登校だったんですか?」
「そうよ、小学3年の時に社会を見切って、一人生きようと決心したの」
「冗談ですよね?」
「ごめんちょっと盛ったかも、本当は中学2年生の時よ」
「いや、盛りすぎですよ」
「実はそれも嘘」
「え?ちょっと訳わからなくなりますって」
「本当は忘れたの、いつからか人のいざこざがめんどくさくなってね、引きこもったの」
「そうですか、僕も同じです、なぜか疎外感を感じたんです、それでここに居るべきじゃないってそう逃げたんです」
「それは逃げたとは言わないわ、あなたは導かれたのよ新しい居場所に」
「そんな美化しても、僕はどこに居たって負け犬です」
「過去を悔いるにはあなたは経験が浅すぎるは、もっと生きてから過去を見なさい」
「先生って本当に優しいことを言うんですね」
「それを優しさと捉えるあなたは、素敵な感性を持っいる証拠よ」
「いいえ、この感性すら僕には道具なんです、ただのモノなんです、自分がいいように捉えてるだけです」
「それはそう卑下するものではないは、人は皆、あさましい所がある、でもそれも含めて美しいのよ」
「美しいのは先生ですよ、僕なんかと居たら先生の瞳を曇らせてしまいます」
「なら上等よ、曇らせなさい、それほどあなたとの出会いが運命的だったって嵐でも起こしなさいよ」
「雪乃先生、やっぱり好きです、大好きです」
「そう、なら落としにかかりなさい、もっとあなたを魅せて、視界を奪って、振り回しなさい」
「先生は僕にとってラスボス級の存在です、先生のこと奪って見せます、って僕は何を…」
「そうだ少年よ、大志を抱け、言った先から迷っても気にするな、山あり谷ありの青春なのだから」
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