第6話  赤色の屋根

 ぼくは無我夢中で走った。


 不思議と地面の感触は無かった。


 まるで、虹の上だけど、雲か空気の上を走っている感じだった。


 下は住宅街も山も河川なども小さく見えていたけど、虹の上を走れば走るほど隣町の住宅街の中の一軒家だけが視界の中でグングンと大きくなってきていた。


 赤色の屋根の家に徐々にぼくは近づいている。


「あ! あの子だ!」


 赤色の屋根の下の玄関を、開けようとしている彼女を発見したぼくは全速力で虹の上を走った。


 そして、アスファルトの上に無事に着地した。

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