第5話  絶望。そして、大空へ

 ぼくは心底がっかりした。

 いや、絶望だった。

 どうやら、心に大きな穴がボッカリと空いてしまったらしい。

 それは到底どんなものでも埋められない穴。

 息ができなほど苦しかった。

 額に汗がでて、このまま息ができなくて死んでしまいそうだった。


 突然、大空が光り輝いた。

 ふと、上を見ると……。


 こんなこと信じられるかい!

 ぼくの目の前に虹が降りて来たんだ!

 

 神様がぼくの願いを聞いてくれたのだろうか?

 ぼくはわけもわからず虹の上を走りだした。

 たくさんの雀や鳩がまるで祝福しているかのようにぼくの周りを飛び回わって行く。


「うわーーーー!」


 いつ落ちるかわからない。

 速く。もっと速く。

 走らないと!

 足よ動けー!


 ぼくは虹の上を必死に駆けて行く。

 と、突然。

 大空の白い雲が指先のような形になって、下方を指差した。


「あそこだーーーー!!」

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