第4話

学校かー、行きたくないなー。


素直な気持ちはそうである。

協調性を重視し、個人の個性は認めない。そんな社会に嫌気がさして学校に行かなくなったのはどうしようもない事実だ。


私は認められなくてもいい。ただ小説を書いていたい。

それで生活できるなら、もっといい。


ただ、現実はうまくいかない。



……――……

熱が下がった。私も学校に行く努力をしなければ。とは言え小説も書きたい。

こういう時はおにぃに相談するに限る。


というわけで、


「おにぃ、私さ小説書きたい、っていうか小説書いてるだけで生きてたい。」


「お前が小説を書いてるのは知ってるぞ?」


「え?」


まさかの事実に驚きを隠せない。おにぃがまさか私の小説を知ってるなんて。


「お前の小説は全部フォローして、評価して更新されたら全部見てたからな。」


「……。」


ちょっと悪いこと言うけどこの兄怖い。でも、なんとなくわかる。この人はそんなことは思ってない、と。

そう思うとなんかほっこりする。えへへ、嬉しい。


「いつからおにぃは見てたの?」


「投稿初日からだな、いやー妹が何かに挑戦してるんだー、って思うと応援したくなってな。」


この兄完璧か?いや、完璧じゃないわけがない。

こんな不登校で引きこもりで陰キャの私のことを気にかけてくれる人間はいるのか?

いたわ。


「おにぃ、私頑張って外出る。」


すると、おにぃは私のことを抱きしめて来た。


「無理はしなくていいんだぞ?大丈夫、何があっても俺はお前のこと嫌いになんてなったりしないからな。」


おにぃ優しすぎる。このままの調子だったらこのまま一生引きこもって生きていたくなっちゃう。

でも、こんなおにぃに甘えてばっかりじゃいけない。

私はおにぃにばっかりに頼っているようではいけないのだ。


おにぃだってこんな私はよりかは変わってくれたほうが嬉しいだろうし、何よりもこれ以上迷惑は掛けたくない。


変わろう。そのために努力しよう、と。本気でここまで思わせてくれるくれたのはおにぃだけだ。


そう思い私は外に出た。

次の瞬間私は後悔することになる。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

不登校義妹と朝~学校に行きたくない義妹は何が何でも家から出てくれません エレメント @eremento

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ