第9話
最初の険悪な雰囲気は何処に行ったのだろうか?
僕がいなくなったその瞬間からアスカたち四人は実に和やかかつ平和な雰囲気をで交流を始めるのだ。
みんな、僕に関わることでなければ仲が良いんだよなぁ。
なんか僕の方が申し訳なくなってくる……というか、これは僕がいじめられているのではないだろうか?
そんなことを考える僕は一人。
「ふぅー」
僕は部屋の中にアスカたち四人の中を残して一人で屋上に出てきていた。
既に時は夜。
上を見上げると満天の夜空で丸いお月様が強い光を放っていた。
「時は満ちた」
■■■■■
「時が満ちたわ」
空で輝く星の光も、月の光も届かぬ遥か地下。
放置された腐敗臭と鉄臭い血の匂いが漂う地下道を一人、歩くラミィは口を開く。
「ふぅー」
彼女の抱えていた巨大な組織とその部下は他者に預けてきた。
今、彼女の味方は誰もいなくただ一人。
「……待ってね。お兄ちゃん」
だがしかし、それでも何も問題はない。
既に血は流れた。膨大な量の血が……己の血どころか他者の血を、大地に染みこんだ血までも己が意思で支配し、操ることが可能である。
ここまで血が流れていればダンピールたる二人がいれば他者など何もいなくとも問題なく世界を支配できるだろう。
「必ず私が手に入れてあげるから、お兄ちゃん」
「すべて終わらせてあげるよ、ラミィ」
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