第2話
既に一か月も続く僕の謹慎とラミィとの水面下での争い。
「ねぇ、いい加減諦めてくれない。お兄ちゃん?」
ここ一か月何もすることなく家で過ごし、今日も今日とて家でのんびりしている僕の頭へとヘッドロックを仕掛けてきながらラミィが口を開く。
「嫌だよ?諦めるのはラミィの方だよ?」
ヘッドロックを仕掛けれられながらも僕は何も変わらず口を開き、ラミィの言葉へと返答する。
「……ぐぬぬ。私としてはここでハイエンドを落とせないのはきついんだけど?」
「喜ばしいことじゃないか?」
「愛する妹への譲りみたいなのはないの?」
「そっちこそ愛する兄への譲りみたいなのはないの?」
「屍のように生きるお兄ちゃんに今更何を譲るのさ!私は自分の世界を作って、またお兄ちゃんとやり直すのよ!」
「やり直す、かっこセルフ滅亡は辞めようぜ」
「もー、なんでよぉー」
「興味ないし、僕にも守るものがある」
「ぶぅー、そろそろ私ってばここに居続けるわけにもいかないんだけど?」
「さっさと帰れ」
僕は一切取り繕う島もなく、ラミィを軽くあしらう。
「……不安だよ?私は」
「僕はいい加減お前に帰って欲しいと思っているよ?いつまで兄のすねをかじるの?」
「……いつまでも」
「それを叶えるにしちゃ……僕らの関係は複雑になりすぎたなぁ」
「……わかっているよぉ」
ラミィは僕の言葉に不貞腐れたような声を上げながら僕から離れる。
「そろそろ私は帰るよ……流石に一か月以上も開けるわけにはいかないし」
「おう」
僕は自分の元から離れ、己の体を徐々に分解していくラミィへと頷く。
「あそこで、また」
今まさに僕の家から立ち去ろうとするラミィへと僕は声をかける。
「……そうだね。またね」
「次はちゃんと倒すよ……だから、次が最後。最後の別れの挨拶だよ。ちゃんとかみしめてね?その一言を」
「ふんす!もうお兄ちゃんなんて呼んであげないんだから!べぇー!」
ラミィは僕の方へとあっかんべーを見せた後、僕の家を後にするのだった。
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