第19話

 怒涛の如く続いたミリア様たちによる告白三連チャン。

 こんなに僕ってモテたかな?

 もういろいろと怖くなってくる頃合いの今、僕はサレリア様の邸宅を後にして何でもないハイエンドの道をただただ目的もなく歩いていた。


「……あん?」


 そんな時だった。

 どこからか飛んでくる強烈な殺気と共に特大の魔法が実に平和だった町中で発動したのは。


「……ッ」

 

 魔法へとすぐさま反応した僕は神がかり的な反射神経で結界魔法を展開……その魔法によって死者が出ないよう街を歩くすべての住人の身を守る。


「……自爆」

 

 豪華な街並みが全て吹き飛び、荒野にただ僕の結界によって守れて住民の意味が残される中、僕は発動した魔法の種類を一瞬で特定する。

 さっきの爆発は誰かによるド派手な自爆攻撃であった。


「全員!この場より離れてくださいッ!危険です!」

 

 そして、僕は先ほどの攻撃がなんであるかを特定するとともに次の攻撃すらも探知出来ていた。

 動揺し、混乱するばかりで何の行動も起こさない住民を魔法で強引にどかし、地面を突き破って出現する大量の大樹を前にして僕は表情を歪ませながら魔法を発動。

 灼熱の業火で大樹を一瞬にして燃やし尽くす。


「……まだか」

 

 自爆攻撃に巨大な大樹。

 一つだけでハイエンドに致命的なダメージを入れることが出来る魔法が二つ。

 それでもな謎の襲撃は終わらない。


「……」

 

 どこからともなく上空より飛来した数多くの岩石を地面に落ちる前にそのすべてを魔法で撃ち落し、次々とやってくる大量の魔法もすべて結界で防ぎきる。

 

「……」

 

 これだけ大規模な攻撃が散発してもなお、終わらない。

 いつの間にか。

 ハイエンドすべてを覆うように薄く、血の霧が漂っていた。

 

 この血の霧。

 間違いなくラミィの仕業であろう。

 これで今回の襲撃の首謀者がラミィ率いるアル・レテンであることが確定した。


「……随分と派手にやらかすみたいじゃん」

 

 スラム、ノーエンスを乗り越えてのハイエンド。

 ここに忍び寄る大量の敵の気配を感じ、僕はぽつりと言葉を漏らすのだった。

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