第20話
既に世界の流れは変わった。
決められているはずのゲームの流れから大きく。
ロマルスを残して死するのみであったヴァンパイアの血族としてラミィが残り、彼女はただただ自分の身に流れる強い恨みと復讐心に従い、人類の全てへと牙を剥きだしている。
現行の世界情勢に反発する力無き民衆、差別される亜人たち、奴隷として人間の存在を踏みにじられ続けている人間並びに亜人達。
それらをまとめ上げたラミィは人類へと恨みをぶつける。
それは世界本来の流れを作り出したロマルスとはまったくもって別の動きであった。
魔族の暗躍と魔王の復活。
人ではなく社会を。
社会構造を悪とし、その崩壊を望んでいたロマルスは長く続く戦乱の時代を作り出し、既に存在したありとあらゆる既得権益を戦争で壊し、新たなる世界を作り上げることをロマルスは望んだ。
魔王が復活するまで行動は避け、暗躍に徹していたロマルスと既に動き出し、ただただ災禍をまき散らすラミィの差は大きく……また。
この差は人類へと迫りくる魔王の軍靴へと対抗するための……人類の力にも大きく影響を及ぼすだろう。
そして何よりもう一つ。
最も大きな違いが存在した。
それは主人公の、勇者の存在。
男であったはずの存在は女となり、狂った正義心ではなく、狂った愛情を抱いた。
世界が変わり、激動の時代が訪れる。
そんな最中において、ロマルスは────。
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