第7話
一限の授業を抜け出し、誰も使っていない空き教室で。
「んっ……ぁ、はぁ……」
僕は美しいもの好きの少女にマッサージを施すこととなった。
そして、何故かついてきた目立ちたがり屋の巨女にもマッサージを施すことになっている……ふふふ。二人目の客だ。
「そこ……そこだ……んっ、ぁ、きも、ちいい」
僕は目立ちたがり屋の巨女。
筋肉質ではあるが、それでも女の子らしくすべすべで美しい素肌へと触れ、足をマッサージしていく。
「次は小顔効果もある顔のマッサージをしていきますね」
「うむ。よろしく頼む」
僕は既に十分小顔で、なおかつ美しい彼女の顔へと手を触れ、マッサージを施していく……触った感じ、結構目が疲れているので、そこらへんを重点的に。
「ほぉぉぉ……良い、気持ちいいぞ」
「お褒め頂き光栄です」
僕はしばらくマッサージを施したあとに手を離し、終了を宣言する。
「これで以上となります。どうだったでしょうか?」
「実に良い。我が受けて来たマッサージの中で最も気持ちよかったし、疲れも大いに取れた……そして、鏡で見た感じ、確かに我の美しさにも磨きがかかっている。くくく。随分と健康的に見えるじゃないか。常に健康たる我をより健康的に見せるなど凄まじいな」
「そう言っていただけると幸いです」
僕は目立ちたがり屋の巨女からの賛辞を受け、感謝の言葉を口にする。
「本当に良い!本当に良いわ!完璧よ!毎日受けたいわ……それで?金銭的にはいくら払えば良いかしら?」
「……私は金銭感覚があまり、わからないものでして……」
スラム出身である僕が高位の貴族の娘である二人にいくらくれ、なんて言えるはずがない。
「そうね。じゃあ、一回金貨一枚ってことかしら。この国の最高峰のマッサージ店と同じ金額よ。もっと上でも良いと思うけど、あなたがこれを商売としてやっていく際の値段を考えると金貨一枚がちょうどいいと思うわ」
金貨は一枚で日本円にすると一万円ってところだ。
ちなみに他の硬貨として鉄貨、銅貨、銀貨、白金貨が存在している。
金額としては上から順に。
白金貨、百万円。
金貨、一万円。
銀貨、千円。
銅貨、五百円。
鉄貨、百円。
色々と誤差があったり、物価の違いなどもあるが、大体こんな感じのイメージだ。
「なるほど……それではその金額でお願いしたいです」
これで、値段設定をしたのは美しいもの好きの少女となる……これで僕のマッサージの金額にケチをつけられる人はいなくなっただろう。
「えぇ。もちろんよ」
「うむ……我としてはもっと払いたいが、こういうのはしっかりと払ったほうが店のためなのだろう?金貨一枚で我慢してくれ」
「いえいえ、これでなお過分でございます」
僕は二人から金貨一枚ずつ、合計金貨二枚を受け取る。
ふ、ふふふ……これで二万円だ。
これだけあれば妹と一年暮らす事ができる……あぁ、学園に来て良かった。
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