第9話 僕の秘密
僕はまたもや朝から驚かされる
教室に入るとユリコが座っていた
僕は嬉しさと不安で頭がいっぱいになっていた
美しい僕の女神の顔を拝見できる
うっとりしていたがそんな悠長に現をぬかしてもいられない
ユリコが"秘密"をバラしたかもしれないからだ
ユリコの動向によっては
僕の今後の学生生活は大きく左右される
しかし、僕にはバレたかどうかを確認するのにうってつけの二人組がいる
椎名と財前だ
あいつらは、今日も一番のりで学校に来ている
もしユリコが誰かにバラしていたなら
噂話に敏感なあいつらの耳に入らないわけがない
僕が自分の席であの二人組にどう近づこうか考えていると
二人組はあちらから僕に近づいてきた
「おい、最近レオとつるんでないみたいだな?まさかレオと別れたのか?」
椎名がわざとらしい驚いた顔でそう言うと、財前は俺の机を叩きながら笑った
今日も僕に対する陳腐な悪口を言ってきたが
それ以上は何も言ってこなかった
ユリコからなにも聞いていないのか
こんなにも、毎日毎日人を馬鹿にできるやつが
僕の先天的な問題については配慮し、いじるのをやめてくれたというわけはない
という事は僕について聞いていないという事か
だが、まだ憐れんでくれて何も言ってこないという可能性も拭えない
もしも、僕を憐れんでいるとしてもそれはそれで心外だ
これはもうユリコ本人いがい知る由もない
僕は意を決してユリコに直接確認する事にした
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