第10話
シウと付き合いはじめて、分かってきたこと。
シウは歌が上手。話上手。面白く話す為なら多少話を盛る(笑)
ガンダムとモンハンのゲームが好き。スロットやパチンコが好き。UFOキャッチャーが得意。食べることが好き。お金を持ってる。
韓国にお母さんとお姉さんが2人居る。お父さんは日本に居てヤクザ。
顔が広く、友人も多い。
そして、とにかくわたしには優しい。
だけど、同性同士では上下関係のようなものが垣間見えた。
シウは、前話でも話したようにとても大柄で外見はちょっと怖い。
体格からしても、ケンカもとても強かった。更に話上手ときて、これは人を言い負かすことも上手でした。
わたしには優しかったけれど、同性には容赦ない所があった。
かといって、一方的にただ理不尽に人を虐めたりすることはしなかったですが、シウの中の筋というものから外れたことをされると、それはそれは怖かったです。
正義感も強かった人だと思います。
シウは面倒見も良かったので、怖がられながらも慕われたんですね。
例えば、お金を貸してあげたり、住む場所がない貧乏学生を居候させてあげてました。
シウは優しい面も持ち合わせていたけれど、“こんなに良くしてやってる”という思いがあったように思います。
というか、そう言っていましたね。
「お前、俺がせっかくここまでやってやってんのに。無駄にする氣か?」
と、よく説教をしている男性が居ました。
確かに、この男性にはかなり問題がありました。
とてもナヨナヨしていて、ハッキリと物事を伝えられない人でした。
何が問題って、性的対象が子供だったんです。
当時のわたしは、この男性を馬鹿にしていました。
ハッキリと物事を言えないのも男の癖にダサいと思っていたし、続かない仕事も中学生の塾の先生は少し続いていたのも氣持ち悪かった。
仕事が続かないからお金が無くて、よくガソリン代とか携帯代とかをシウに借りに来ていた訳です。
シウは、この男性の性的趣向のことも叱ったり、犯罪だけは犯すなよと伝えていました。
そんなだから、わたしも馬鹿にしていたのですが・・・この男性の姿も魂的に見ると、ちゃんと何かをしに地球へ来ている訳です。
勿論、このままで良いという訳でありません。
わたしたちは、このままで良いと言えないようなものを課題として持ってきたりするんですね。
今のわたしなら、この男性のことも見る目が変わってきますが、当時のわたしはスピリチュアルのスの字も無く、とても未熟な子供。
シウと一緒になって、この男性を見下していました。
シウは怒ると、本当に血を見るんじゃないかとヒヤヒヤするくらいの恐ろしさがありました。
わたしの前で、そんなケンカをしたことは一度もありませんが、シウの脚には50cmくらいありそうな大きな傷がありました。
過去に、ガラス窓を蹴飛ばした時に負った傷だと言っていましたが、そんな想像をしてしまうくらいの情報がシウにはありました。
シウは面倒見が良いと言うと聞こえが良いけれど、お金や力の強さを使って人を従えていたんです。
本人は、従えようと意識してやっていたかは分かりません。
というか、わたし目線になってしまいますが、きっとそこは無自覚だったように思います。
良心で面倒を見ている。きっとそんな感覚だったんじゃないかなと思います。
シウとゲームセンターやコンビニなど、街を歩くと、よくシウの知り合いと会いました。
その度に、その人たちはシウに「シウさん!ちわっす!」って頭下げるの。
シウは、それが当たり前のように振舞っていました。
そして、シウはわたしのこととなると、それもとても恐ろしかった。
だけど、当時のわたしはそれが氣持ち良かった。
わたしに何かしてくる人が居てもシウが守ってくれるという優越感。
シウと付き合いはじめて少しすると、夏休みは終わり学校が再開しました。
松潤似の元カレの件は、まだ収まっていなくて、元カレの周囲の人によく呼び出されては色々言われました。
ある日、元カレの友達である男の先輩が、わたしのことをボコすと言いふらしたようで、それが冬美とわたしの耳に入りました。
冬美は、流石にヤバいんじゃない?と言ってきたけど『どうせ年下の女にボコすとか言う奴、絶対口だけだから。』と思っていました。
同時に、なんてダサい男なんだと思っていましたが、念の為シウに話した訳です。
これが、ちょっとした騒ぎになってしまうんですね。
この元カレの男友達は、本当にわたしを呼び出してきました。
他にも男の先輩1人と女の先輩2人で全部で4人。
主に女の先輩2人と、ボコすと言っていた男の先輩が何やら言ってきました。
「お前、ちょっと痛い目見た方がいいんじゃね?」というような感じだったと思います。
この状況を見た冬美がヤバいと思ったのか、シウ呼んでくる!と言ってその場を離れました。
わたしは、流石に男の人に手を挙げられたら敵わないと思い虚勢を張りました。
「わたしに手を出したら、あんたヤバいよ?」とシウの話をしたんです。
正直これは本心だったけど、同時に馬鹿にしながら言いました。
「あんたみたいに、男のくせに女に手を挙げるとか言いふらす奴には絶対勝てない人だよ(笑)」
こんな風なことを言ったように思います。いま思うと、ちょっとヒヤヒヤするような相手を煽るような言い方で、一歩間違えばわたしは大怪我を負っていたかもしれない。
けど、幸いそうはならなくて「は?じゃあそいつ呼べよ(笑)」と相手も負けずと言ってきた訳です。
わたしは「本当に呼んでいいの?これ本当に忠告だよ?」というようなことを言って再確認しました。
本当にヤバいことになると思ったから。
でも、向こうも負けたくないのか呼べと言うので、シウにメールしたんです。
まあ、冬美が呼びに行っていましたが・・・
すると、ものの数分でバイクをすっ飛ばしてシウは来ました。
「○○って野郎はお前か?あ?お前か?」と大きな体格で2人居る男の先輩を一人一人威圧しました。
まさか、こんなに怖い人が来るとは思って居なかったんだと思います。
ついさっきまで呼べよ(笑)と言っていた張本人が声も出さずに名乗り出ることをしませんでした。
それどころか、思ったよりも恐ろしい人が来てヤバいと思ったのか、女の先輩二人が、わたしをボコすと言った男の先輩を背に前に出て守ってきたんです。
シウは、女性には絶対に手を上げません。
自分の力の強さを知ってるからこそだったと思いますが、女性の家系で生まれたからか女性には優しかったです。
女の先輩には目も合わさずに、シウは背が高いので2人の女の先輩の上から「お前、男だろうが。女に守られて恥ずかしくねーのかよ。出てこいよこの野郎!」と言うシウの言葉に、やっと張本人が前に出てきました。
それを女の先輩たちは「ヤバいって!後ろに居なよ!」と守ろうとしていたと思います。
この状況を、わたしはハラハラしながらも優越感を味わっていました。
『ほら、わたしに手を出すとか覚悟もないくせに言うから。』
わたしは、弱い者イジメをする人や、男性が女性に理不尽なことをしたり、手を上げたり、女性を見下す男性が大嫌いでした。
違う言い方をすると、男性に厳しかったです。
この先輩は、わたしの嫌いな部類の人間に当てはまった訳です。
昔のわたしは、男はどうしようもないものという固定概念がありました。
この後、この固定概念がより強くなっていく体験をしていきます。
この一件は、女の先輩が警察を呼び事が収まりました。
シウはひとつも手を上げてはいません。
シウはよく言っていました。「自分からは手を上げるな。手を上げられたらボコボコにする。」
警察沙汰になった時に先に手を出すと部が悪くなるからだそうです。
またシウは話上手なので、警察とも話をするのが上手でした。
最終的には笑いながら警察と話していました。
当時のわたしは、元カレとのことも当事者でもないくせに、元カレの話だけを聞いて一方的に悪者にしてくる。
仕舞いには、男のくせにボコすとか有り得ない。
こんな嫌悪感でいっぱいでした。
そして、わたしの窮地を圧倒的な強さで守ってくれる彼氏が居るという優越感。
この体験を描いている今のわたしは、恥ずかしいという思いを手放しながら執筆しています(笑)
ボコすだとか、呼び出してきてイチャモン付けてきたり、悪いことしてるのは相手の方だ。
しかも男のくせに!
こんな風に思っていたわたしも、いまのわたしからすると相手と同じことをしているという風に思います(笑)
わたしは、強い彼氏という人を使って力を振りかざした。
わざと相手を煽るようなことを言って争いにしている所も相手と同じ。
要するに、どんなに相手が悪い。周りがおかしいと思っていたとしても、その中で自分もやり返したり、そういった人達を相手にすることは、同じステージで同じテーマを体験しているということ。
例えば、世の中の戦争を見て、人を傷つける人なんて最低だ!こういう奴らが居なくなれば平和になるんだ!
これも、実は戦争をしている人たちと同じステージに居ることになります。
平和になることが正しいんだから、それに反する奴を消す。
この発想は、結局傷つけてしまう争いだからです。
じゃあどうすればいいのか?
傷を癒すこと、自分を許し他者を許し、自分自身が成長していくこと。
わたしたちは皆、元は宇宙の源から生まれた光です。愛です。魂です。
わたしたち魂は、成長を望んでいます。その方法は人さまざまですが、なんらかの目的があって皆生きています。
そして、その目的というのは魂の成長。愛を育むということです。
その方法やプロセスの中で、わたしたちは傷付けたり傷付けられたり、様々な体験をします。
このプロセスから氣づき、学び成長していく。
それが、わたしたち人間なんだなとわたしは思っています。
どんなに酷い人が居たとしても、その人は本来の姿ではないんです。
元は光であり愛。ただ成長の為のプロセスを体験しているということなんですね。
わたしが体験したことを、今ここに綴っていますが、過去世でも沢山の体験をしてきています。
これは、大抵の方がそうなんじゃないかなと思います。
記憶にない過去世から、わたしたちは傷つけ傷つけられたり、かと思ったらハッピーな体験をしたり。
わたしたちはネガティブもポジティブも闇も光も体験し、魂は知っています。
ですから、例えばあなたが今苦しい現実の中に居るのだとしたら、いつでもあなたの意識次第でその現実を抜け出し、あなたが思い描くハッピーへの道へと行き先を変えることができます。
この行き先を変える時に、色んなエゴ(氣持ちや思考)などが出てきて手放しが必要だったり、癒しが必要だったりします。
この、手放しや癒しをわたしも沢山やってきました。
この詳しいお話は、うんと後の方になると思いますがお伝えしていくつもりです。
わたしのことをボコす事件は、学校中に広まりました。
シウは、圧倒的な強さをこの時も見せつけ、この時の先輩やわたしの元カレまで、街中で出会ったりすると「シウさん、ちわっす!」と言われるようになります。
正直、これは少し複雑でした(笑)
元カレも、わたしに会うのは氣不味いだろうに、シウのことは怖いのか、わたしが側に居てもシウには挨拶をする。
わたしとは一言も交わさないのに、おかしな光景でした(笑)
10話では、シウがどんな人なのかを伝えたくてこのようなお話をしましたが、この後またちょっと夏休み中に時間を遡ります。
シウとシウのアパートに居候している大学生、冬美と冬美の幼なじみで彼氏さん。
主にこの4人がお話の中心になっていきます。
人によっては、なかなかハードな内容だったかもしれませんね。こういった人達(わたし含め)が苦手な人も居るかと思います。
それでも、ここまで読んでくれた方、そうでない方も読んでくれた皆さんありがとうございます。
これから、わたし的にはもっとハードな内容になっていきます。なるべくライトに楽しくお伝え出来るように工夫してみますね。
正直、過去のわたしが未熟すぎて恥ずかしいです(笑)
わたしは、どんな人も元は光で愛であると信じています。ですから、どんな人だったとしてもジャッチをするということを手放したいんです。
とはいえ、絶対に手放さなければいけない。という感じでもないです。
ただただ、自然にどんな人もこうやって学んでるんだな。とわたしのハートや思考に波風を立てない。
そんな風になっていけたらいいなと、わたしもこの争い(ジャッチ)をのんびり手放し中です(笑)
そして、この小説の執筆はその良い訓練になっております。
過去、わたしか氣嫌いした人達やわたしを傷付けた人、最低だな!って思った人達のこと、そしてわたし自身のことなどを執筆しながら、いまのわたしなりに受け入れてみたり、解釈してみたりしています。
昔のわたしと全く違う視点で、自分自身の体験を見るということが、とても新鮮で恥ずかしくもありますが楽しいです。
こうやって、あなたも過去のあなたを振り返ってみて、自分自身の成長を確認してみるのも良いかもしれませんね。
現役靈媒師カウンセラーの過去・現在・そして未来。 水蓮-SuiRen- @SuiRen-1111
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