第8話
彼と別れた翌日、わたしと彼が別れたという事実が何故か学校中で広まっていました。
更に翌日には、わたしが二股掛けていたという尾ヒレまで付いて噂が広まったんです。
火のない所に煙は立たない。
わたしは、二股をかけていた訳ではないけれど、そう思われてもしょうがないと思うようなことをしていました。
彼と別れた翌日の放課後、クラスの一個上の男の子に「ちょっと話そ。」と誘われて、校門で話をしていました。
「彼氏と別れたのって本当?」と聞かれました。
わたしは別れたことが事実だと伝えました。
この男の子が、わたしに氣があることをわたしは知っていました。
実はこの時、放課後のバスケ部に潜入してバスケをやっていた時に足を骨折していて、松葉杖を使っていました。
骨折したのは、まだ部長さんが事故に遭う前でした。
もう暑くなってきた頃で、その中の松葉杖生活は大変だった記憶があります。
骨折して初めて登校した日、わたしは松葉杖を使いながらほぼ片足ケンケン状態で学校の階段を登っていました。
足元を見ていないと怖かったので、下を向いてひたすら登っていたんです。
3階の最後の階段を登り終えようとした時、ふと前から誰かの氣配を感じて顔を上げたんです。
すると、このクラスの男の子が目の前に居て、バチッと目が合ったんですね。
この時、この男の子は分かりやすいくらい顔を赤らめたんです。
この時から、この男の子はわたしに話しかけて来たり、階段の昇り降りを手伝ってくれたりしました。
こういったことがあったので、わたしに氣があるということを知っていたんです。
「彼氏と別れたばかりだと思うけど、チャンスだと思ったから。」
そう告白されました。
わたしは彼氏と別れた翌日に、この男の子に告白されたからと付き合うことにした訳です。
単純に、わたしは自分のことを好きだと言ってくれることが好きだったんだと思います。
すると、この男の子は部長さんとは違って割と大胆で、人前で手を繋いだり抱きついてきたりしました。
学校の階段も、わたしを抱っこして昇り降りしたこともあります。
まあ、これは怖かったのでやだと言いましたが・・・この男の子は、柔道をやっていたので腕力に自信もあったようです。
そんなだから、すぐに学校中に広まった訳です(笑)
告白された翌日には、わたしが二股かけていて部長と別れた瞬間にイチャつき出したと。
部長さんと付き合ってる間は、他の男の人とそれっぽいことをしたことはありません。
ですが、わたしの行動は不誠実に見えたのだと思います。
わたしは、これがきっかけで部長さんと部長さんの友達を敵に回しました。
部長さんの周囲から野次が飛んでくるようになったし、呼び出されたこともありました。
「お前ふざけんなよ」と肩を押されたこともあります。
ですが、わたしは負けん氣が強かったので、「なんであんたらにそんなこと言われなきゃいけないの?なんも知らねーくせに!」と言い返しました。
そうは言っても、この男の子との交際は呆気なく1ヶ月くらいで終わります。
とてもくだらない理由でした。
当時は本当にヤンチャで、ある日この男の子(彼)とわたしと、冬美と冬美の幼なじみである彼氏さんと4人で、駅のすぐ側にある歩道橋でお酒を飲んでいました。
お巡りさんが来て声を掛けられました。所謂、補導というやつです(笑)
ですが、彼はかなり酔っていてお巡りさんに「俺、柔道やってるんすよ!俺と勝負したください!」とヘロヘロの滑舌で絡みだして、それをわたしや冬美たちも笑って見ていましたが、酔っ払った彼を、上手くあしらってくれていたお巡りさんもお仕事なので、わたしたちを家に帰るように促して来ます。
このやり取りに、そろそろ飽きてきて、わたしたちは帰るとお巡りさんには伝えて、別の場所へと移動しました。
学校の前にある池の所に休憩スペースがあったので、そこで飲み直すことにしました。
ですが、移動してきたのもあり少し興が冷めたのか、わたしの彼以外は少し酔いが冷めたようでした。
そんな中で彼だけは楽しそうで、フラフラの足取りでどこかへ行こうとします。
酔いが冷めたのもあって「危ないからじっとしてなさい」と言うわたしの手を振り払って、彼は急に走り出しました。
まだ、わたしの脚が治ってなかったので追いかけることができず「どこいくのー?!」と言いながら、少し呆れてしまっていました。
見兼ねた冬美の彼氏が追いかけて連れ戻してくれましたが、戻ってきた彼はヘラヘラしていて、今度は地面に寝転がってゴロゴロとしながら何を言ってるのか分からないことを喋っていました。
わたしは、そんな彼を見て嫌悪感を抱きました。
『馬鹿なんじゃないの?』という思いです。
たったこれだけの出来事で、彼への氣持ちが冷めてしまって、その翌日に別れを切り出しました。
彼は、何度かわたしを引き止めたり、何日間かわたしとの話し合いを求めてきましたが、わたしはすべて断りました。
一度、嫌いになってしまうと、わたしは一切受け入れることができない質でした。
わたしの中で“元サヤ”というものが、当時は理解できなかったんです。
今のわたしは、そんなことないと思いますが、当時のわたしはとにかく未熟で、自分以外の人の心と通じること、自分以外の人の立場になって物事を考えることができませんでした。
分かるのは、自分の中にある感情だけ。我が強かったので、自分の感情のままに生きていました。
スピリチュアル界では、自分の氣持ちを大切に。自分の感覚を大切に。とよく教えます。
わたしも、このようなことを伝えています。とても大切なことだからです。
だけど、自分の中に無自覚な傷があったりエゴがあると、自分の感情のままに行動することは、時に周りを巻き込み人を傷付けます。
更には、自分自身をも傷付けることになるんですね。
わたしは、愛に目覚めはじめてからスピリチュアルカウンセラーを目指し、現在、霊媒師カウンセラーとして活動していますが、この過程の中でそのことを学んできました。
とは言え、このエゴが悪いのかと言ったらそうではありません。
あなたが今世持ってきている課題のひとつと言ってもいいかもしれませんね。
このエゴを癒すことが必要です。このプロセスの中で、自分や周囲の人達と色んなことを体験し学び成長していきます。
これは、自分だけでなく関わる人みんなで学び成長していきます。
その為に、皆さん宇宙で約束をしてきてる訳です。みんなそれぞれにこんな課題があるね。じゃあわたしたちでこんな学びをしよう。
今世では、酷いことをやってしまうけど、本当はみんなのこと大好きだからね。そのことをきっと何処かで思い出してね。
こんな感じで約束をしてきます。
すっごくザックリですけどね(笑)
わたしたちが、本当は素晴らしい愛で繋がっていることを思い出していくこと。
これが“氣づき”と言われるものだったりします。
勿論、わたしがここでお話していることは、ほんの一例ですしこれが全てではありません。
ですが、いまあなたが辛い苦しいを体験しているとしたら、そこにはこんな魂の約束があったかもしれません。
この辺の詳しいお話は、また別のお話でしようと思います。
この彼とは、このまま関係が終わりました。
あと数ヶ月、高校に在籍しますが、この数ヶ月の間で更に濃い体験をしていきます(笑)
お付き合い頂けたら嬉しいです。
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