第2話

1話では、主に幼少期の靈感についてお話しましたが、もう少し、わたしがどんな子供だったのかお話しようと思います。


子供の頃のわたしは、この世はとても不思議で分からないものだらけというような、とてもポーっとした一面を持っていました。

かと思いきや、性格はとても氣が強く我が強かったそうです。


わたしの子供の頃の記憶は、どちらかというと本当に何も分からなくて、お喋りは好きだけど、大切なことを伝えることは苦手でした。


嫌いな食べ物を嫌いと言えなかったり、小学生になった途端、授業中は座ってなきゃいけないことも何故なのか理解していませんでしたし、勉強も分かりませんでした。小学校では家族が言うような我の強さや氣の強さを出した記憶はありません。


例えば、学校で有名なイジメっ子が居たんです。

その子に逆らったり、嫌われたりするとイジメのターゲットにされました。


わたしは、理解したり上手く伝えたりすることは苦手でしたが、感受性は強く繊細でした。


イジメをすることは好きじゃありませんでした。

だけど、それをいけないことと伝える勇氣もありませんでした。


いまのわたしであれば、堂々と伝えることが出来るでしょうが、この時のわたしは、何故か大切なことを伝えることが、とても苦手だったんです。


それよりも、自分がターゲットにされるかもしれないという不安が勝りました。


ある日、クラスメイトの子の上履きを隠しちゃえ!と、そのイジメっ子に言われたんです。

わたしと同じように不安を抱いてる友達と3人で遊んでる時でした。


その子とわたしは、えっ・・・どうしよう?と目を合わせました。

何度も、隠しちゃいなよ!ほら、早く!と唆して来ました。


断ったらイジメのターゲットにされるかもしれない・・・

上履きに手を伸ばしたのはわたしでした。


すると、そのイジメっ子は「あ~あ~わたし知らないよ?やったの水蓮ちゃんだからね。」と言われて、とても怖くなったのを覚えています。


悪いことをしてしまったという恐怖。

主犯である子は、何事も無かったかのように帰っていき、わたしともうひとりの友達は、次の日、いつもより早く家を出て、みんなが登校してくる前にこの上履きを下駄箱に戻そうと約束をして、その頃住んでいたアパートの近くにあるスイミングスクールの裏に置いておくことにしました。


ですが、翌日の朝スイミングスクールに上履きを取りにいくと、無くなってしまっていたんです。

わたしと、もうひとりの友達は凄く後悔しました。


友達の方から、3人でお金を出し合って新しい上履きを返そうって提案してくれました。

わたしはこんな時、どうすることが正しいのか、どうしたらいいのかを考えることも、上手く出来ない子でした。

きっと、この時この友達が居なかったら、わたしは何も出来ずに流されて知らんぷりしてしまっていたかもしれません。


その友達は、毎月500円のお小遣いで好きな雑誌を買っていた子でした。

その月は、その雑誌を諦めてお小遣いから上履き代を出しました。


わたしは、お小遣いというシステムでお金を貰っていなかったので、自分のお金を持っていませんでした。

だけど、事実を母に話すことは怖くて言えなかったので、家にあった親が貯めていた貯金箱から必要分のお金を黙って盗りました。


この時、上履きを隠すように唆した子にもお金を出してくれるようにお願いしましたが「盗ったのは水蓮ちゃんじゃん。わたし関係ないのに!絶対に出さない!」と言われてしまいました。


仕方なく2人で出し合って学校帰りに上履きを買い、本人の家に電話をして友達と正直に事情を話しました。


結局、もう上履きは新しく買ってしまったから要らないと断られてしまったのですが、この後、担任の先生に全てバレてしまい、授業中3人呼び出されて本人に謝るように叱られました。


大泣きしたのを覚えてます(笑)


でも、その反面子供ながらに、全てを知って貰えたという安心感を感じていました。


上履きを隠すように唆した子は、最後まで「わたしは関係ない」と言い張っていましたが、担任の先生は何故か全て知っていたんですね。


「お前が一番悪いだよっ!!」と怒鳴ったのには、流石に驚いたのか、最終的には泣きながら謝っていました。


ちょっと怖い男の先生だったけど、とても良い先生でした。


わたしが記憶している、小学生くらいまでの子供時代の自分は、思ったことを伝えるのが怖くて言えなかったり、よく分からないことだらけだったので、自分で考えるということもしてなかったように思います。


ですが、とても内氣で弱々しいという訳ではなかったです。

普段はとてもお喋りだし、負けず嫌い。女の子みたいにお絵描きしたりお人形遊びをするよりも、男の子に混じってドッジボールをしたり鬼ごっこをしたりするのが好きでした。

とてもお転婆だったので、傘を壊したり服を破ったりして、よく母に怒られました(笑)


わたしの記憶では、こんな感じなのですが、母から見た家の中でのわたしは違ったようです。

おもちゃを独り占めしたり、弟妹に意地悪だったそうです。

とても我が強かったようでした。


この我の強さは、この後の中学生時代から数年前くらいに至るまでの間で本領発揮します(笑)

いまのわたしは、この我の強さも自分で理解しています。


小学生時代の一番印象に残っているイジメのお話をしましたが、いまのわたしだからこの体験に感じることもあります。


とりあえず、友達が良い子過ぎる・・・わたしが上履きを盗らなければ、もしかしたらあの事件は起こらなかったかもしれない。

この友達は、唆されても上履きを盗らなかった。しかも、わたしの後始末まで付き合ってくれた上に、提案して導いてくれたのはこの子でした。


このお話を聞いて、あなたはどう感じましたか?

唆した子が悪いやつだと思いましたか?それとも、結局断れず上履きをとってしまったわたしが悪いやつだと思いましたか?

その場いたみんなが等しく悪いやつだと思いましたか?

それとも別の意見もあるかもしれませんね。


わたしは自分を正当化しようと思いませんが、唆した子には唆した子の傷があります。

唆されたわたしにも、傷がありましたし、もうひとりの友達にも傷があったんですね。


それは、今世の出来事からかもしれないし、過去世からの傷かもしれません。

こういった体験をしながら、わたしたちは自分の中から愛を育み見つけて行くのだと思っています。


この過去世のことや、何故わたしたちが傷つきながら色んなことを体験しているのか、そんなお話も別のお話で出来たら良いなと思ってます。


唆した子は一人っ子で、両親共働き。

「うちの子は凄く良い子なんです。みんなでうちの子をいじめてるんです!」と、その子の母親はPTAのとある会で言い放ったそうです。


詳しい事情は分かりませんが、その子の家に何度か行ったことありました。確かに、いつも家の人は居ませんでした。


わたしにとって、小学校での体験は苦い思い出が多いですが、これもわたしにとって財産である体験だと感じています。


これから、もっとドロドロな体験をしていきます(笑)

お付き合い頂けたら嬉しいです。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る