先生のお弁当
ぴりり
単回
「ぴりちゃん!早く起きないと間に合わないわよ!!」とお母さんが
中々起きないぴりちゃんを一生懸命起こします眠い目を擦りながら
不機嫌そうにようやく起きたぴりちゃん制服に着替えてテーブルの椅子に座って
お母さんが用意してくれた
朝ご飯を前にうとうと眠りそうになりながらも一生懸命食べました
時計を見るともうこんな時間!!お母さんと慌てて家を出るとバスが待っていてくれました
急いでバスに乗り込んだぴりちゃんをお母さんは笑顔で見送りました
幼稚園に到着して朝のご挨拶から始まりお友達と楽しく遊んだりしてお昼の時間になりました
ぴりちゃんはお母さんのお弁当が大好きで毎日この時間が1番の楽しみなのですが
何とそのお弁当が鞄の中に入っていません そうなんです今朝慌てていたから
お家に忘れてきちゃいました ぴりちゃんが泣いていると先生がどうしたの?と
訪ねて来たのでお弁当が無い事を話すと先生は「それじゃ先生のと半分こしようか」と言って先生の大事なお弁当を分けてくれました
卵焼き半分ウインナー半分人参の煮物も半分ホウレン草の胡麻和えも半分
鮭のたっぷりかかったご飯も半分貰ってぴりちゃんはニコニコしながら
美味しく食べました ぴりちゃんはこの事はを幼稚園から帰るなり真っ先に
お母さんに報告をしましたそれを聞いたお母さんは
「お弁当持たすの忘れちゃってゴメンねそっか良かったね^^」と言いました
ここでお母さんは先生のお弁当がどんな感じだったのかぴりちゃんから聞いて
元々お弁当を作る事が好きだったお母さんは増々お弁当作りに気合を
入れるようになりましたこれまでは普通に可愛い感じのお弁当でしたが
キャラ弁に挑戦するようになりました
「ん~ぴりちゃんはマイメロが大好きだからどう作ればいいのかしら?」
と色々と調べたり考えたりしながら毎日一生懸命作りました
よくあるアニメのキャラクターとか動物さんとかお花とか可愛くて
女の子らしいお弁当を朝早くから起きて作っていましたが
とうとう今日が幼稚園最後のお弁当の日ですもうキャラ弁が作れないと
思うと寂しくなってしまいお母さんは少し泣きそうになってしまいました
ぴりちゃんも最後のお弁当もペロリと残さずに食べてくれました
空になったお弁当箱の中には上手ではないけれど「おかあさん
のつくってくれたおべんとういつもかわいくておいしかったよ
ありがとうございました」と一生懸命書いたお手紙が入っていました
これを見たお母さんは溜まらず嬉し泣きをしてしまいました
小学校に入学したら給食が始まるので遠足と運動会以外はお弁当を作る事は
なくなってしまいますお母さんはイベント毎にのお弁当作りを楽しみにするのでした
あれから30年以上の時が流れ今ではぴりちゃんもすっかりお母さんになって
幼稚園に通園中の我が子の為にお弁当を作っています
そんなぴりちゃんが思い出すのは先生が分けてくれた先生のお弁当でした
先生のお弁当 ぴりり @piriri
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