第14話 対大蛇

「2人は俺の援護をしてくれ!」


「分かったわ!」


「分かりました!」


 2人には援護を頼んだ後は、早速また使う時が来たか、アレはまだ制御しきれてないからタイムリミットはおよそ長くて3分間、それまでに倒すか逃げ道を作らなければならない、そして俺の神魂のスキルを発動させる。


『白極双刀』


 目の前に現れた2つの刀を持ち大蛇に向かう。


「はぁーー!!」


 大蛇の胴体の上を走りながら大蛇の胴体を切り刻んだ、だが致命的なダメージは与えられていない。


「はぁはぁ、硬すぎだろ!」


 大蛇の鱗は硬く深くまで刀が刺さらない、すると大蛇は尻尾で俺を後ろから追ってくる。


「クソッ!援護できてるか!?」


「さっきからしてるけど全然効かないのよ!」


「こっちもです!」


 確かに2人とも援護はしているが全く効いている様子が見えない。


「ふぅー」


 一旦落ち着け、まずは目だ視覚を潰す。


『銃弾』


 銃弾を自分の周りに展開した。


「くらえ!」


 一斉に撃つ


「シャーーっ!」


 目に命中はしなかったが目眩しには丁度よかった、俺から目を離した隙に大蛇の頭に乗り両目に向かって刀をグサッと刺し、直ぐにその場から離れる。


「これでもうお前は俺の事を認識できない」


 そう思っていたら的確に俺を尻尾で吹き飛ばした。


「あ゛がっ!……な゛んで俺の事が?」


 分からなかった、両目を潰したのに俺を感知したのかが。


「九郎くん!蛇は視力よりもピット器官っていう熱を感知する器官で生き物を感知するの!だから目を潰しても感知されるの!」


 だから俺を正確に追えているのか、視力も悪いってなると俺以外の2人が狙われていないのは、あの2人はその場からほとんど動いてないし俺に集中してるから感知する暇もないんだ。

 なら丁度いい、の実験台には、そう思い再び大蛇の頭に乗るとまた尻尾で俺を吹き飛ばそうとする。


「シャーー」


「ウワッ!とあっぶねー」


 跳んで回避したが大蛇は俺の方を向いて口を大きく開ける。


「俺を食おうってか!だけど俺も待ってたんだよ!お前が口を開けるのをな!」


 そして俺は大蛇の口の方を向いた。


「喰らいやがれ!」


砲撃キャノン


 砲撃とは簡単に言うと銃弾のデカくしただけだ、当たれば大ダメージだが普通の場合は避けられるだから超至近距離でしかほとんど当たらない、だがこの大蛇は目が見えないそして魂力そのものはピット器官でも感知する事はできない、即ちほぼ不可避の攻撃となる。


「ゴホッ!ゴホッ!どうなった!」


 土埃でよく見えなかったが段々と大蛇だったはずの肉塊がそこらじゅうに飛び散っていた。


「ちょっと」


 後ろから声が聞こえたがそれ以上に倒せた事が嬉しくて無視する。


「どうだ!やったぞー!生き残ったぞー!」


「ちょっとって言ってるでしょ!」


 何怒ってんだよと思い振り返る。


「何怒っ…て……んだ…ヨー」


 そこには肉塊と血に塗れた2人がいた。


「この姿を見ても!そんなに楽しそうに!で・き・る・わ・け!」


「えっと………ごめんなさい!」


 即座にその場で土下座した。


「わっ私は大丈夫ですから気にしないでください」


 優しい、だがもう1人は鬼のような顔をしている。


「分かってるわよね?」


 姉さんと同じ系統の圧力を感じる。


「何でもするので今回は是非とも、その無かったことに」


 すると詩織は考え込んでこっちの方にやって来た。


「貸し一つね」


「はい!寛大な心に感謝いたします!」


 その日、地獄の学校が地獄の監獄へと変わった事を本能的に感じ取った。

 そして俺はその場で力尽きる。


「ちょっと!起きなさいよ!はぁー助けてくれたお礼として運んで上げるわよ」


「詩織ちゃんも何だかんだ優しいですもんね」


「べっ!別に!ただ仲間だから運んであげてるだけよ!」


 そんな他愛もない話をしながら演習場の入り口へと向かう。








「ふーんだねー、ここまできて観察したかいあったねー」


 演習場に不穏な影があったことには誰も気づかなかった。


の1人は順調に成長してるねー、じゃあもう1人のアメリカにいる方も確認しに行くねー」


 そして演習場から不穏な影が消えた。



 

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