第13話 1クラス合同訓練

 あれから1時間が経過した。

 始まって早々にあの問題児2人はどこかに消えた、多分先生が付いているから生きてるとは思うが、気づいた時には既にいなかったため追いかけることもできないし追いかけようとも思わなかった、だからそのまま放置して自分達の事に集中するように俺もみんなもそうした。

 それと今回の合同訓練での任務は全員合わせて魂生を20体狩ること。


『銃弾』


 ふぅー銃弾の命中率が魂生相手でも安定してきた、これで3匹目か。

 ここの演習場の魂生は猪に似たやつばっかりだ、まぁ銃弾の練習相手にはもってこいだけど。


「九郎!何匹狩ったー?」


「3匹」


「フフフフ、私は5匹!」


 ものすごくドヤ顔している、かなり頭にくるぐらいのウザい顔で見てくる。


「櫻は何匹?」


「私はまだ2匹です」


 俺と櫻さんが少ないんじゃなくて単純に詩織が多いだけだ、何故なら詩織のソウルスキルは攻撃力が高いからだ、当たればほぼ確実に殺せる。

 すると佐々木くん達が手を振って近づいて来る、此方が気づいたのを確認して佐々木くんが喋れる距離にまで来た。


「そっちの3人は何匹倒した?」


「私達は合わせて10匹、そっちは」


「僕達は3匹であっちの2人は1匹」


 佐々木くんが指をさした先にはバカ2人じゃない、女子2人がいた。


「この調子で頑張ろう朱嶺さん」


「オッケー」


 佐々木くんは恐らく詩織に一目惚れしているだろう、理由は簡単だ、俺や櫻さんの事が視界に入ってないからだ、そして去り際に若干俺の事を睨みつけてきたような気がする、多分気のせいだろう、もしそうだとしたらとんでもなく面倒くさい、そう思いながらも魂生を探す。





 そして更に1時間が経過した。


「そっちいた?九郎」


「いないどころか気配も感じない」


 あれから1時間近く彷徨っているがさっきまではある程度見つけられたが今は全然いない、どうしてなんだ?と疑問に思う。


「じゃあ櫻の方は?」


「全然見当たりません」


「あっちの奴も見当たんなくなったわよね」


「そうだな」


 さっきから佐々木くん達が見当たらない、魂生に遭遇したのか?それてもやられたか、どっちかかどっちでも無いか、大丈夫な事を祈っておく。


「ねぇ何か聞こえない?」


「何も聞こえないけど?」


 一応耳を澄ましてみる、すると上の方からシャーッと蛇のような鳴き声が聞こえた。


「おいおいおい!」


 上を見てみるとそこには巨大な蛇がいた。


「2人とも上を見ろ!」


 俺を含めた3人とも急いで注意を上へ向けた、こっちに気づかれた事を察した蛇は尻尾で薙ぎ払ってきた。


「あっぶね!、2人とも大丈夫か!」


「大丈夫よ」


「大丈夫です」


 ふぅー被害は今のところはゼロだ、だがさっきの攻撃だけでもくらったらひとたまりもない。


「詩織、いけるか?」


「誰に聞いてんのよ私よ、ワ・タ・シ!いけるに決まってるじゃない」


 そして詩織の手から白い炎が出る。


「喰らいなさい」


白炎はくえん


 これが詩織のソウルスキル『白炎』、魂力を白い炎に変換して放つスキル、非常に強力だが詩織はまだ扱いきれていないから操るまだの事はまだできない、それでも蛇には有効だろうとふんだ、だが大きなダメージはなく軽く焦げているだけだった、蛇は何事もなかったような顔でこちらを見ている。


「逃げるぞ…今すぐに!」


 俺達の中で一番攻撃力が高かったのがさっきの詩織のスキルだった、それが少し焦げるぐらいのダメージしかないと分かった瞬間逃げに徹するしかないと瞬間的に感じた、逃げようとしたが既にその蛇の長い胴体で囲まれていた。


「クソッ!まただ!これで2回目だな死にそうになるのは」


「私達は初めてだけど」


「頑張りましょう、精一杯!」


 そして蛇との戦いが始まる。

 



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