第4話 三人目
「ちょっとアンタ!くだらない妄想からさっさと戻ってきなさい!」
そう言って詩織は俺の顔をビンタした。
「いったーー!!」
とてつもない痛みで頬がジリジリする。
「終わったか?」
先生からの無言の圧力を感じる。
「終わりました」
コイツ!
「俺は!」
いや待てよ、これ以上もう1人の子に悪い印象をつけるのはよくない、これから毎日会う事になるからここは引き下がってやるよ。
「終わりました」
「そうか、ではまぁ軽い自己紹介をしよう先ずは櫻からだ」
「はい!」
最初は途轍もなく美人の人だ。
「私の名前は
何というかオーラがあるな、それより龍紋院ってどっかで聞いたことがあるな?
どこで聞いたか思い出そうとしても分からない。
「聞いての通り櫻は龍紋院元帥のお孫さんだ、似た者同士仲良くしてやってくれ」
なっ!なっ!なにーーーーー!!!!
どっかで聞いた事があると思ったらまさかの現元帥の孫って!
死刑宣告(放課後の地獄の扱き)された時よりも衝撃だった。
「朱嶺さんとは7年ぶりですね」
「お久しぶりです、まさか一緒になるとは思いませんでした」
詩織の奴、急に敬語使ってキモい、というかあったことあるのかよ。
「白川さんとは4歳の頃に一度会った事があるのですが覚えてますか?」
「すいません、全然覚えてないです」
4歳の頃は覚えてないな、それどころか5歳以降は基本記憶にない。
「そうですか」
ちょっと残念そうな顔になった、4歳の頃の俺いったい何をしたんだ!
「まぁ4歳の頃では覚えていないですよね」
さらに残念そうな顔になった、助けてくれー!この地獄の空気感から!
「大丈夫ですよ櫻さん、このバカは基本大体忘れるのでそんな気にしなくていいですよ」
いちいちムカつくが今回に限ってはナイスと言いたくなる。
「では一応自己紹介をしますね、私は朱嶺詩織です、こっちのバカは白川九郎です」
クソー!今回は我慢!今回は我慢!今回は我慢!今回は我慢!今回は我慢!
「どうも白川九郎です、これからよろしくお願いします」
ちょっと壁を作っちゃったかな?流石にタメ口は無理だしなー、まぁそのうち仲良くなるだろ。
「はい、これからよろしくお願い致します、後敬語はあまり使わないでくれたら嬉しいです」
「オッケーこれからよろしくね櫻、ほらアンタも」
しれっと背中叩きやがった、後いきなりキャラ変しすぎて怖いしキモい。
「分かってるよ、これからよろしくね櫻さん」
ふぅなんとか乗り切った、それを見てすぐ先生が立ち上がった。
「それじゃあ早速授業にしようか、これからするのは魂力を感じるところからだ」
自己紹介からの移り変わりが早!
「まず目を瞑り丁度体の中心当たりに意識を向けろ」
言われたまま目を瞑り体の中心に意識を向ける、だが何も感じない。
そして目を開けた瞬間、赤色の光に包まれている詩織と青色の光に包まれている櫻さんがいた。
「眩しっ!」
目も開けられないぐらい眩しい、どうなってるんだと思っていたら。
「おい」
「うわっ!ビックリした!」
背後からいきなり先生が喋ってビックリした。
「2人はもうできている、お前も早くしろ」
「はい!」
少し説教じみてはいたが正論だから大人しく従う。
そして目を瞑ってしばらくすると、なんだか暖かい何かを感じた、すると俺の体が黒く光った。
「全員できるようになったな、では次の段階にいくぞ」
早い展開が早すぎる、こんな高スピードだといつか死ぬかもと思った。
「返事は!」
「「「はい!」」」
俺の青春というなの地獄、正確には地獄なんてまだ優しい方だと思うほどの地獄の日々の始まりだった。
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