第2話 魂の解放

「私の名前は帝風香みかどふうか、階級は空軍所属の大佐だ」


よりにもよって


「今お前達は指定された椅子に座っているな」










「返事は!!」


『はい!』


なんか軍隊に入った感があるな。


「よし目の前にある封筒を開けろ」


『はい!』


「そこにはお前達の魂に刻まれたスキル、が一つ書いてある」


封筒を開けるといろいろ書いてあった。


___________________________________________


 1stスキル「器用」

器用になんでもこなせるようになる。


 2ndスキル「武の心得」

武術の理解力がつく。


 3rdスキル「トレーニング」

トレーニングをした力がつく。


 4thスキル「成長促進」

成長速度が上がる。


 5thスキル「限界突破」

限界がなくなる。


___________________________________________


なんじゃこりゃ。


「知っているとは思うがお前達は生まれた瞬間に、と言われる儀式みたいなものを受けている、魂の解放とは魂に眠っているを呼び覚まし魂に刻まれたスキルを使えるようにするためのものだ、おそらくだが一つスキルが書いてあるだろう」


俺五つなんだけど。


「一度その紙は私が回収する、私はまだお前達の能力を確認していないからな」


 1人1人回収されていく、そして俺の番が来た。


「先生、俺五つ書いてあるんですけど」


すると目を見開いた。


「なるほど後で話がある放課後は時間を空けておけ」


「分かりました」


 うわー!どっちだ?軍人になりたくなかったって話を聞いていたのか、それともスキルのことかわかんねー!。


「まぁーいろいろ話すことはあるがそれは大体封筒に入っているもう一つの紙に書いてある、自己紹介などのオリエンテーション明日行う、では解散」


 職務怠慢が過ぎる、重要なことは先生の口から言って欲しかった。

 そう思いながらもみんなが続々と席を立ち出て行っていく。


よしっじゃあ俺も、と帰ろうとすると。


「何帰ろうとしている」


 クソッ!どさくさに紛れて帰ろうと思ったのに、詩織の野郎は何かを察してさっさと帰りやがって!。


「早速だがお前、魂の解放をした事はあるか?」


 意味がわからん、儀式みたいなのことなんかした覚えはない。


「意味が分からないんですけど」


「じゃあ説明する、魂の解放とは一回につき一つのスキルしか解放されないつまりはお前は何回もした事になる」


えっ⁉︎じゃあ。


「俺は何回もしてるのか?」


全然見覚えがないし記憶にもない。


「だがごく稀に一度に全部解放する者もいる、おそらくお前はそれだ」


それだって言われてもなー。


「だからお前は良い意味でも悪い意味でも伸び代がない、何故なら魂の解放は五回までしかできないからな」


「そうなんですか」


やったー伸び代がないなら軍人にならなくてもすむかも。


「お前は魂の解放をもうできないが、お前のスキル限界突破により限界がない、つまり伸び代がないと言うことだ」


俺にとってはそっちが最悪な意味だった。


「以上だ、疑問は晴れたからもう帰ってもいいぞ」


 そう言われたので帰る準備をしてドアに手をかける。


「では失礼します」


「ちょっと待て」


ドキッ!まさか今指摘するのか!


「お前の姉からの伝言だ」


 よかったと思ったのに最悪だ姉ちゃんからの伝言とか。


「『逃げたりしたらぶっ殺す!』だそうだ」


「はい!分かりました!」


 さすが!と言いたくなるぐらい俺の性格を分かっている。


「後もう一つ」


まだあるのかよ!


「白川大将の命を受けお前を放課後も鍛える事になったから明日から毎日放課後は空けておけ」


「ワカリマシタ」


 あっっっっの!!!!クソ親父がーーーーーーーー!!!!


 その日の帰り道、殺害予告と死刑宣告をくらった罪人の様な気分で帰ることになった。







「血は争えないな」


 帝風香はを見てそう思った。


「扱きがいがありそうだ」








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