第2話~コバルトブルーのメイクでは隠せない~

「ええ!? こんな豪華でいいんですか!?」

「え?いいけど?」

 なぜ私が豪華と言ったのか。それは室内がエモいからだ。語彙力がなくなってしまう。黄金のベッド、黄金の浴槽…etc

「あ、方言使っても大丈夫でしょうか?」

「あー構わないけど分からないときあるかもだから。その時はよろしく。」

 ようやく広島弁に戻れると思い、

「こがいな豪華なところに泊まらしてもろうてうちゃいったい何を恩返ししたらええか!?」

「……どこの国出身なの?」

「広島県でがんす!」

「広島県…?聞いたことないわね。だいたいどこら辺か分かる?」

「日本でがんす!」

「日本…っ!」

「ん?どうした?」

「日本ってあれよね?日の丸の!」

「はい。それがどうかしたか?」

 というか、日本のこと分かるんだ!ということはここは異世界じゃない?

「私、日本嫌いなの…」

「え?何でか?」

「私ね、日本人の宗教家から家族を殺されたの。」

「マジで?」

「うん。それでね、『モジュール教』って名乗ってたわ。殺人現場を見た後に幹部は火炎魔法で殺処分してあげたけどね。」

 え?今なんて?

「いびせーんだか可愛いんじゃかよう分からんね…」

「そう?」

「うん。」

「というか、ここに来た時からそんな恰好だけど…いいの?」

「うん。うん。だってこの恰好好きじゃもん。じゃけぇ、いつでもこの恰好から変えないつもり。」

「方言……やめてくれない?」

「はい!すみませんでした!」

「よく見たらその恰好、流行りそうね。」

「そうですか?」

 シンプルに褒められた感じがして、自己肯定感が上がった。

「レージー様って、このような服着ないのですか?」

「着ないね。」

 あーそういうタイプなのね。感動したわ。と思ってるとふいに虚しさが混みあがってくる。一国の女王様の家にずかずかと入り込んでいいものか、と。いいや、ダメだ。

「……あの」

「ん?」

「ここから出ていきたいと思います。」

 長く続いたお城生活は幕を閉じた。

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地雷系女子が異世界に飛ばされたので、魔王を討伐したいと思います! 八雲真中 @Ryukyu_KohaKu

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