地雷系女子が異世界に飛ばされたので、魔王を討伐したいと思います!

八雲真中

第1話~歌舞伎町から異世界へ~

「あーあ、マジぴえん…」

 深夜0時を過ぎた頃、<歌舞伎町の一匹狼>三宮姫苗はため息をついていた。なぜなら歌舞伎町から異世界に飛ばされてしまったからだ。

「ここはどこなんよ…」

 看板に書いている文字を読みながら、ひめなは言った。

「ここは異世界って呼ばれるところなんじゃろうか?げによう分からん。」

 ひめなは顔が可愛い18歳要するにJKで、広島県在住、黒髪ツインテ。かなりの巨乳であり、服がパツパツ。そして広島弁がバリバリに出る根っからの広島っ子だ。今日はたまたま歌舞伎町に興味があって行っていた。

「あのーすまんここってどこか分かるか?遠いくから来た者で方向音痴なんじゃよ。」

 帰ってきた答えが、

「方言?きついよ(笑)」

「は?」

「おー怖怖」

「……方言きついって、仕方ないじゃろ。地方から来たんじゃけぇ。」

「あのさ、君困ってる?宿貸してあげようか?」

 うわ、優しいんじゃけど!こりゃあ世の女子は惚れるね!うちゃ惚れんけど!なんかこの人の顔歌舞伎町の売れんホストに似とるけぇ!

「あー気持ちは嬉しいけどはじめましてじゃけぇ…」

「気にしなくていいよ。俺は君のこと可愛いって思ったから泊めようと思ったんだよ?君がブスだったら話しかけもしないよ!」

「あ、われとんでもないクズじゃ。」

「え?」

「人が怒らん思うて調子に乗っとるようじゃのぉ。広島人ねぶったら痛い目見るよ?」

「あん?やるんか?やるんやったら条件付きだ。」

「条件付き?」

「そう。君が勝ったらここで物を置いて、立ち去る。だが俺が勝ったら…」

 一息ついて、

「……ホテルに直行でセックスだ。」

 は?バカじゃないの?はじめましてとだよ?と正直思った。でも私が勝てば物を置いて、クズ二流ホスト野郎がここから立ち去る。なかなかいい提案よね。私が何年柔道してたと思ってんの?

「ええわよ。」

「よしっ!どんだけ溜めてたと思ってんだ!ぐへ…っ!」

 不敵な笑みを浮かべている間にお腹にグーパンチを思いっきりくらわせた。

「はいこれでどがぁ?惚れさせようとした女に殴られる気分は?ドMにゃあ最高じゃろうね。われがドMかは知らんけど。まあどっちにしろキモいけぇ、その荷物置いて立ち去りな!」

「ずみまぜんでじだぁぁぁぁぁぁ!」

 泣きながら逃げていった。逃げるなら戦おうとするなよ。時間の無駄でしょ。

「さてと、これからどうするか。日本語は通じるとして、食べるものやらは、まあまああるじゃん!ラッキー!……って違う!泊まるとこんじゃん!」

「あなた、泊まるとこないの?」

 あぁ良かったと思って振り向くとそこには、金髪碧眼の高身長美少女がいるではありませんか!胸は…まあ言わないでおきましょう。私は美しすぎて思わず、

「は、はい。今日遠くから来たもので何もこの土地に関して分からないんですよ。」

 と、標準語になってしまった。

「あら、そう?じゃあ教えてあげる。ついてきて。」

 ついて行ったは行ったけど、何この豪邸!エグい超えてエモいよ!これ!

「ここに来て何をするのでしょうか?」

 聞くと即答で、

「何をするもなにも、私はこの国の王だよ?」

「へ?」

「何をするもなにも、私はこの国の王だよ?」

「丁寧に二回もありがとうございます!」

 二回言ってと言っていないのに二回も言ってくれた。ありがたやありがたや。

「となるとお金持ち?私お金好き…」

 言って、はっ、しまった!と思った。女王様の前でこんな汚いことを!

「私からお金借りるのなら、アルトリア銀行ってとこからだけど…いくら欲しいの?」

「嘘です!嘘です嘘です!申し訳ございませんでした!」

「あ、そう?欲しいときはいつでも言ってね?」

 うわ、めっちゃ太っ腹。と思うと今度はイケメン紳士が出てきて、

「お嬢様、夕飯の準備ができています。……とこちらの方は?」

「街で拾ってきたの。宿が無いって。かわいそうだから泊めてあげようと思って。」

「なるほど。さようでございましたか。はじめまして。わたくしはこのお方、レージー・ダリグリセンに仕えているエーリッヒ・ハウルラントーと申します。以後お見知りおきを。」

「……私は、三宮姫苗です。よろしくお願いいたします。」

 私の異世界生活はまだ始まったばかりだが騒がしい。

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