最終話
「さぁどうされますか?決断できますか?」
このままで…と思っていたが、これはチャンスなのかもしれない。もう一度戻り、幸せな人生を歩み直すのも良いのかもしれない。
決断までに時間はかからなかった。
「では、命再生法を使うということで。やり直しの人生が幸多きものとなりますように…」
少年は笑って私に手をかざした。あぁ意識がなくなっていく…
目を覚ました。部屋に戻ったようだ。何も変わってはいないが、これからは明るい未来が待っている。
そのとき、携帯がなった。
「もしもし、悪いんだけど今月もお金貸してちょうだい。今まで育ててやったんだから」あぁいつもの電話。またお金を取っていくのか。でも私には幸せが待っている。そう思えば心も壊れない。早く、早く、早く幸せになりたい…
「君は今月も成績が一番だね、素晴らしいよ」
神様が白い髭を触りながら、私を褒める。
「ありがとうございます。これからも頑張ります」
金色の髪を揺らせながら、上司の部屋を出て歩く。
私の仕事は、自ら命を断った人間を生き返らせること。天国も地獄も満員で受け入れができない現状を変えるべく、私の部署はできた。
さっきの男、上手くいった。あいつは信じて待ち続けるだろう、寿命が来るまで。生きる希望を与えたのだから、私は悪くない。出会えると言った女はただ1ヶ月後に芸能界デビューするだけだ。
両親、仕事、あいつが信じ続ければ変わるかもしれない。そこまでの責任は私にはない。
今日も希望を与え、生き返らせる仕事が始まる…
命再生法 momo @wxyz-momo
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