ラノベ市場半減後に起きる事

【予測1】ラノベ市場半減後に起きる事

 本当はライト文芸分の売上を抜くととっくにラノベ市場はピークから半減済みなのだがここではまだ2023年現在「市場半減」が成就していないという前提にする。さて……2027年頃にライトノベル市場が無事半減したとしよう。

 

 もう残念ですが紙媒体市場はとっくに1兆円割れの時代です。そういう時代に……2027年前後にほぼ確実にラノベ市場は半減します。その時にラノベってどういう状況になってるのかを予測します。今から数年後です。2027年とかもう数年後ですのであっという間に現実になると思ってください。ちなみに予言成就の際は「ラノベ市場復活の妙案」という題名に変わります。2009年の301億円から150億円未満になった時です。


1:ラノベ文庫市場の壊滅


 これはほぼ確実に起きるでしょうね。2023年現在でも100億円切ってます。2012年の284億円から2023年は99億円ですよ? 12年平均で毎年15.4億円減少してます。私がラノベ文庫市場は年15億円毎年減ると言ってるのにはちゃんと根拠があっての事です。たった3年で45億円の減少ですよ? 4年後は? そうですね。約60億円減少見込みです。このペースで行くと。もちろんどこかでコアなファンが買い支えてどっかでラノベ文庫の市場減は止まるのでしょうが。おそらくその時の市場額は50億円ぐらいでしょう。最終的にはピーク時である2012年比の約9割減で市場額減が止まると私は思っています。それだけ、顧客を怒らせた。もちろん50億円に近づくにつれて減少幅はゆるくなります。


2:ラノベ単行本は横ばい予測だが……


 ラノベ単行本はこのままずっと横ばいでしょう。でも市場が横ばいになってるのは「特典版商法」のおかげです。声優のCD付きラノベが売れてる、DVDが付いたラノベが売れてるというだけで純粋な読者数は大幅減です。つまりコア層以外もうほとんどの人はラノベから離れたと思ってください。この音楽配信・動画配信の時代にわざわざ音楽CDとかDVDを買う人とはどういう年齢層なのかもよくお考え下さい。おそらく読者平均年齢は50歳を超えていることでしょう。文字通り大人買いする初老以外ほぼ見捨てられた後の時代です。もちろん1冊4,000円とか1冊3,500円なんてラノベは子供のお小遣いでは買えません。いや、大学生のバイトの稼ぎでも躊躇するというか買いたくない値段でしょう。青少年市場を見捨てた結果がこれだよ。ちなみに物理的な「重さ」でもヘビーノベルです。これらの本にラノベを名乗る資格は、ない。だって、どこが「ライト」なのよ? 

 なお本当に横ばいになるかは不透明です。投稿サイトはもう女性向け1強で男性を中心にラノベそのものから離れていくことでしょう。いよいよ中年男性からも見放される時がやって来るのです。つまり今後は通常の単行本ラノベも見捨てられていくので今後は徐々に市場額が減っていきます。私は単行本ラノベ市場の未来は暗いと考えます。予想が外れるといいね。


3:ラノベ電子書籍は救世主になりえない


 きっとこのころにラノベは電子を入れると売上増なんだーとか言う人いっぱいいます。ですが電子は再販制度の除外品なので100%OFFセールすら可能です。おそらく電子漫画のおまけ品として売られていることでしょう。下手すると無料で読めるもの以外ラノベは全く売れなくて広告収入で稼ぐというビジネスモデルとなり全く別のビジネスモデルに変わっている事でしょう。もう値段付かないよって事です。


 ちなみに電子は定価で売る必要が無いので書籍JANコードの除外です。そう、書籍JANコードは再販制度があるせいで定価での販売が約束されているために価格がJANコードの中に組み込まれているのですよね。


 出版界の皆様にお願いがあります。電子ラノベのを公表してください。すると何%値引きした分が分かるはずです。おそらくですがわざわざ「なろう」や「カクヨム」で無料で読めるコンテンツにお客がお金を払うとは筆者、どうしても思えないのですよ。奇特な方はともかく。下手すると電子書籍ラノベと言う商品は平均約90%OFFセール品なのではないですか?


4:日本で残ったラノベはほとんどがアニメノベライズのプロ作家


 たぶんこの時代に売れるラノベはアニメ脚本家や直木賞受賞クラスのプロが執筆したアニメノベライズ作品でしょう。ということは何が起きるでしょう。もう投稿サイトという文化が成り立ちません。よって次々投稿サイトを閉鎖します。プロ作家以外ラノベは売れないやという当たり前の現実の時代に戻ったという事です。ラノベ投稿文化というのは『魔法のiらんど』(NTT:2000年)様が作った文化ですが……。そういう文化は約30年で消えるという事です。書籍化の夢が消えた投稿サイトに存在意義はないはずなので。可能性としては約50%かな。むしろ漫画作品投稿サイトに変更されるのかもしれません。電子漫画市場は盤石ですので。


5:エロを訴求したラノベは壊滅する


 元々ラノベってエロ要素は抑えていたんです。それが少子化によって売上減少しました。00年代初頭の事です。そこで出版界は「萌え」を前面に出し微エロで勝負して売り上げを急拡大させました。当時の20代後半の中年男性に訴求したんですね。しかしそれは敵を作った行為でもあり2009年をピークにラノベ市場は一旦下落します。その後異世界転生・俺ツエー・チート・ハーレムという売り方になり「ハーレム」の言葉の通りエロは1レパートリーとなったわけですがいよいよ青少年はラノベそのものを見放していきます。そして市場は2023年で3分1も吹き飛んだのですが一向に直す気配がありません。よってラノベ市場が壊滅した時にようやく反省してエロシフトを止めて90年代以前のラノベ文化に戻す事でしょう。


6:海外でのラノベ売り上げが圧倒的になる


 どういう意味か? ここ15年ゲーム業界で起きてる現象と同じことが起き、もう日本人を商売相手にせず中国人に受けるラノベ、欧米人に受けるラノベを作るように専念します。資本主義の世は金が持ってる奴が正義ですので商売にならない日本市場を見捨てます。もちろん日本人の感覚とはまったく合わないラノベでしょう。つまりラノベは日本市場では下落(半減超)するけど海外ではうなぎのぼりです。海外9:日本1も十分にありえます。

 当初は日本文化の純粋な輸出になりますがじきにローカライズされていき執筆者も外国人だらけになっていくことでしょう。

 もちろん「市場半減」とは「日本国内におけるライトノベル市場半減」と言う意味です。


7:この評論のタイトル変更


 『若者のライトノベル離れ 市場半減のショック』に名称が変わります。もしかしたらタイトル名に【確定】って入れると思います。数年後の事です。


 最後に。人間は失った後に大事なものを失ったと気が付く残念な生き物です。市場半減後もグダグダしてるようでしたらいよいよ「ライトノベル」と言う存在がこの世から消えます。既にライト文芸と児童書に市場を取られた後です。人はそれを「オワコン」というのです。残念だけど。

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