【各論2】読まれる=売れるではない

 え!? って思わない。ここ「カクヨム」でも読まれるにはとかPV増やすにはって創作論が腐るほどあるよね。で、高ポイント勢が出版するんですよね?


 じゃ、なんであんたらの作品は打ち切りだらけなのさ?


 ここが一番の罠なんだ。つまりね「無料読者層」は主に中年層で通勤の合間や土日のほんのごくわずかの間にこっそりと無料で読む人が主流層なんだ。さっき「結婚したらラノベを読むことは出来なくなる」って言ったよな? それは「物理的な本」の話だ。誰もスマホで、WEBで、有料でとは言ってない。まるで隠れキリシタンみたいだ。で、ここが最強の罠でこの読者層は「無料ならいいや」って層にすぎない。つまりお客様じゃないんだ。お金を出さない人はお客様じゃない。ここ、商売において最重要だぞ?


 この一番重要な点を何で誰も指摘しないの? それとも「書籍化がゴール」なの? だったら止めないけどその後に待ってるのは「絶望」だよ? それだったら自費出版でいいんじゃないの? ちなみに100部以上かつ1冊50p以上あれば国立国会図書館に納本出来るんだ。君自身のISBN番号ももらえるぞ。書籍化ってまさか「特別な出来事」とか思ってないよね? このオンデマンド印刷の時代に。自己満足での書籍化が目的なら打ち切りのリスクが無い自費出版や同人出版をお勧めします。そのうえで国立国会図書館に納本してください。永久にあなたの作品は文化財として残ります。納本というのは単に著作物として残すのではない。もう文化財として半永久的に残すという意味だ。後世に作品を残したいという動機だけなら商業出版なんてやめとけ。


 書籍化後に売れなくてかつどうしても打ち切り廃業作家になりたくないならいい方法教えてあげる。自分で自分の出版物を買え。で、買った本を公共図書館に寄付しろ。寄付なんだから各公共図書館に配る郵送代も当然自分持ちだ。どうだ? これ同人出版と何が違うんだ? これを「自爆営業」というのだが。ノルマ達成には自爆営業が実用ってもう君はいい年齢こいた社会人だ。知ってるよな? 


 嫌だろ? そんなの。


 なら、どっち(自費出版や同人なのか商業出版自爆営業コースなのかそれとも商業出版は幻でしたと現実を認めてラノベとは関わらないように生きるか)がいいのかもう一回真剣に考えるべきだ。だから出版時に編集者から「ラノベじゃ食えません。絶対にサラリーマンを辞めないでください」って念を押されるし公務員の場合は上司に申し出て印税収入分は勤務自治体に全額寄付にするのが一般的だ(国家公務員の場合は国に寄付する)。公務員なんて一生安泰だ。そんなおいしい身分は捨てられないもんな。でもね……もうこの時点で君は商業作家でも何でもない。君はやっぱり素人に過ぎない。断じてプロではない。書籍化しようが君は高確率で「趣味:ラノベ書き」の範囲は超えられない。まあ、公共図書館に寄付すれば20年位は本を残してくれるだろう。ただし、寄付を受け入れてくれたなら。図書館に寄付を願い出ても即ゴミ箱行も覚悟せよ。「そのくらいの価値しか俺にはないんだ」と自分の机で号泣する作家の姿を君は想像したことあるか? そうやってラノベ作家の大半は数年で消えていく。それが真の「追放ざまぁ」の物語のラストなんだ。


 創作論に「PVの上げ方」や「読まれる方法論」は多数あれど「売れる本の作り方」をなんでみんな書かないのかよ~~~~~~~く考えてほしい。そう、彼らは売れる本の作り方なんてノウハウは知らない。


 でね、高ポイント勢のWEB作家に言いたいけど無書店地域とか大型書店すらもあちこち潰れてるってニュースを何で見ないのかなって思うんだよ。本当にラノベが売れてたら書店があちこちで閉店するわけがない。そうだろ? だから売り上げ動向や出版市場動向と書店の閉店動向は見事に一致するんだ。君にポイントあげている読者は「本物の読者」なのか。胸をあててよく考えみ?


 無料で読む行為と買って読む行為は敷居が全く違う。もしかして君の作品が評価されてるのは「単に無料だから」なのかもしれないよ? 値段付けたとたん売れなくなるってそういう事だぞ?


 ――そう、君の作品は値段が付かない程度の評価でしかない。


 商業出版した後の「絶望」って意味が理解できた?


 しかも真のお客様……つまりラノベ書籍を買ってくれる主力層である中高生+大学生はわざわざ無料サイトにまでアクセスしてポイント付与なんてたぶんほとんどの読者はしないって部分が最強の罠なんだね。じゃなかったらこんな売上結果になるわけがない。そう、実際に作品を評価する人はまるで違う層なんだね。真のお客様の大半は「なんじゃこりゃ」になるわけだよ。つまり真のお客様の方を向いて商売してないってことだよね。なお「真のお客様」とは外国人の青少年読者層を含む、だぞ?


 この「評価者のズレ」が最大の悲劇を生み出す元凶だと思ってる。


 もうポイント至上主義、止めないか? 


 ラノベ公募作品を評価するのはいい加減にプロの眼「のみ」にしないか。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る