甘酸っぱい失恋

俺は急いで二階にかけのぼると、自分の部屋に真っ先に飛び込んだ。



雪さんに見られた…!!


俺の初恋の雪さんに…!!



うぉおおおおおおおおおっっ!!




俺は雄叫びをあげながら部屋の中を手当たり次第に八つ当たりした。


もうオワタも同然だった。


小さい頃から憧れの存在だった。三つ年上の雪さんに、無様な姿を見られてしまった。


俺は死にたい気持ちに襲われた。


悲しくて泣いていると、兄が部屋のドアをノックした。


「どうした恭一?」

「何暴れてるんだ?」


「うるさい、ほっといてくれよ!!」


俺はドアに向かって鞄を投げつけた。


「あっそう。じゃあ勝手に暴れてろよ」


兄は呆れた声で言い返すと、直ぐに自分の部屋に戻って行った。


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