隣の綺麗なお姉さん

鞄でケツを隠しながら急いで家に帰ると、偶然そこで隣のキレイなお姉さんに出くわした。


「あら、恭ちゃんじゃないの?」

「どうしたのそんなに慌てて?」


ゲッ…!!


雪さんだ!!


俺は慌ててケツを鞄で隠した。すると、雪さんは俺のに近づいてきて後ろを覗き込んだ。


「何隠してるの恭ちゃん?」

「あ、いや…べつに…!」


「何々?」

「ひょっとしてHな本?」


「ち、違うわい…!!」


「ダメよ未成年がそんな本を読んじゃ!」

「はい、没収!」


「だから違うんだって…!」

「ホラホラ、早く出しなさい」


雪さんはそう言って俺の鞄を

無理矢理どかした。


「…!!」

「きょ、恭ちゃん…!?」



「どうしたのそれ…!?」



俺はその一言に、淡い初恋は見事に砕け散った。


こんな姿を雪さんだけには正直、

見られたくなかった。


俺は急に悲しくなると、一筋の涙を

流しながら慌てて自分の家に逃げ込んだ。



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る