第二章 12の役割編
0!話 REIN from BORN
『──────ヒューヒュー.....』
風を切る音がする。
僕は、一体どこにいるんだろう。あの世か。天使に体を運んでもらっている気分だ...程よく冷たい風が体に当たる。いっそこのままあの世に言ってもいいような気がする。
『─────、う、うん?』
『ここは、一体どこなんだ?目の前が少し黒い。本当にあの世なのか?』
我々人類には、来てはいけない空間ようにも感じた。
『なんだか寒いな...』
僕は、両手を顔の前に近づけようとした。
『な、なんだ、この重さ...手が上がらない...足も、だ...』
体にある手と足が、固定されているみたいだ。
本当のあの世であればもっと自由でありたかった...
『あの世に自由は、もしかしてないのかもな...』
頭の中で走馬灯が起きる。馬が記録を走っている。
懐かしい、楽しかった、いろいろな思い出が出てくる。
『近藤とは、長い縁だったな...それにチセまでまだ一日しか見れていなか
ったけど、久々に見れてよかったな...ありそうでないものもいっぱいあったな...』
しかし、脳の馬が記憶の中で悲鳴を上げた。映画のフィルムが途切れた様に。
『あれ、そういえば...あの痛い奴、どうなったけ?うーん...』
なんだか死ぬ最後に、嫌なものを見た気がする。
あの浜辺...
もしかして!?!?
『——ハッ!ッ!アイツはまだ生きている!死んだ最後を見ていない!
けど俺は死んだのか?...』
足の下をよく見た。そこには、さっき自身が倒れた浜辺が...
『——?、??、え”ぇぇぇぇぇぇ!?!?俺”飛”ん”で”る”!?!?!?』
思い出した。あの羅義と対戦した時、雷を降らした!
けれど今は、空中にいる...冷静に考えるんだ。
『”─────!考えるんだ..近藤の様な性格はやめろ、真剣に真剣に
考えるんだ。今ここで助かる事を。』
脳に電圧をかけてフル回転で考える。
『ハッ!!あの夢で教えてくれた話!もしそれが本当なら...
いや、やってみるしかないんだ...この状況で...』
《ジ───ジ”ィ”ィ”ーン”》───森閑とした空間が流れる。
『よし、その次が肘だ...頼む...これでどうにかなるのならば...』
”───ジィ──ギ”、ギ”ャ”ッ”ン”!!!!”
『ッ!!い”?と、飛んだぞ!これで俺に電気を流して磁石化だ!!!!!』
突然思い出した。僕が昔見たあの部屋での話...
あなたは電気を操れる電気の人間と言われた事を。
今行ったのは、腕に電気を蓄え肘に高圧電圧を流し、腕を飛ばし
飛んだ腕を電磁石化し、さらに自分にコイルの様に電気を流し
デミ・マグネット化した。
磁石同士は、くっつく。つまり今ものすごく勢いのある腕に
近づこうとしている。そして今空を移動している。
腕は、体に近づこうとしても勢いの方が強いため磁力を無視して
飛んでいる。俺の腕は希望に向かって掴もうとしているのだ。
※痛みは、電気で痺れさせて感覚を無くしているので痛くありません。
『あ!!あ”あ”!!!!これ凄っこ飛んでるぞ!!すげー!!
─────────────────”うん?あれは!?
アクアブリッチじゃないか!!お!さらに天気も晴れてるぞ!!』
空を飛びながら見るアクアブリッチは絶景だ。
(けどよく考えたらこれ、下から見られたら結構カオスだぞ...
これ学校にバレたら........いや、今はた、たのしもう....)
背中には、灼熱の太陽が希望を託している様に感じた。
その下には、海の生き物が返事してくれている様にも感じた。
それほど、心地いい。ずっといたい様な気分だ。
『うーん...何か見えるかな?じゃあ目に電圧をかけて視力を
あげてみるか.............い”で”ぇ”!?......けどなんとか見える....
うん?あ”あれは、カップルじゃないか!?』
アクアブリッチには、多くのカップルや観光客など
賑わっている。
『くっそ...やっぱりあんなもの見ない方がよかったかもな...
自分にも今まで好きな人は、できた気がするようがする...
けど名前が覚えていない...好きだったのに...
初恋の...うーん....
僕には、何か探す物がある。何かを探すんだ。
この晴れた空の虹を掴みながら。
今の自分は、思いの手紙を持った
希望は生きている限り有る物、それを見つけるかが
大事なんだ。
『…………俺は何かを探すためなら辛さも喜びも全て受けてやる。』
サイエン&ト&リザウディ 水鐘・哲華 @tatsnootosig0
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