第8話 焦点の混乱

今僕は戦慄を見ている...戦慄を...

扉から見える地獄...開いてはいけなかったモノ。


ー なんだよこれ...目の前が燃えているのに暑くないぞ ー


液体窒素が空気中にあるかの様に全体が冷たい...


井宮|『こ、これは、幻だ!誰かの!男に訴えるあの女

    が見えるぞ』


ー や、やめておかしいよ...子供を殺すなんて.. ー

と女が訴えている。僕は見てしまった、その下を.........


井宮|『———————————————————”!』


そこには、原形を留めていない肉の塊がざっと50個あった...

揚げたあとに焼かれ死んだ様な者、生きながら動物に食われた者

その肉塊には、片足が立っていた..


ー   パ  ッ  !   ー


急に世界が変わった。目の前には、綺麗な部屋で椅子とデカい机、

大きな本棚がある。昔に見た父の部屋だ。

井宮|『い、今さらあんなの見た後に元に戻されても気分悪いぜ...

    あれは、なんだったんだろ..こういう時の俺は絶対に

    引きずるから,行動を起こして落ち着くんだ!

    俺は、俺!俺は、動く!俺は、受け止めろ!

    ———————————————————.....

    取り敢えず、部屋を調べるか。』


取り敢えず父の机、本棚を調べた。特に普通である。

けれど一つだけ気になる事があった。

イスの構造だ。

普通こんなに厚みがあるイスは、無いはずだ。


井宮|『もしかして、ここにネコババでも入れたんかぁ?開けてみるしかし       

    ないな。いつも持っているサバイバルナイフがあるからこれ

    で開けるか。』

ギィーと皮をナイフで切った。そこには硬い物があった。

井宮|『なんだ、これ、本か?なんも書かれていない?まあ見てみるか。』


本を捲った、そこには親戚や、あったことの無い祖父の名前などが

書かれていた。


井宮|『えーと、親父はどこだ?うん??』


親父の名前の下に妹のチセの隣に と書かれていた。


晶馬|『お、俺の名前が書かれていない!なんでだ?』


その時、ガチャンと扉が開いた。そこには、渚さんがいた。


渚|『ここでしたか晶馬さん、夕御飯ができましたよ!今日は宴ですね!

   あと妹さんも帰ってこられましたよ。妹さんお待ちしていますよ!

   食堂は、反対側の廊下にある階段の降りて右にあります!

   失礼します!』


これ以上この本を読むことは危険だと思い、しまった。

イスの経年劣化によって本が出てきた様にしまっておいた。

我ながら人間の屑と言われる行為だけは上手く行ってしまう。


これが晶馬なのだ。晶馬なんだ。


晶馬|『いつから僕は、晶馬なんだ?井宮家には闇があるのか?

    そんな事も人生だな。

    それでは飯を食うか!よし行くか!』


廊下をたどった、本の内容と幻覚の事を頭の片隅に置いて。

人間の生理現象の様に受け流して。


   


    


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