41~46話のあらすじ

(第6章)

 凪音は愛情の不足した環境で育ち、結婚して自らの家族を持つことに憧れていることを明かした。そして凪音は能登に対する思いを打ち明け、自分と結婚してほしいと求婚する。

 しかし能登は歳が離れ過ぎていることや凪音には多くの将来が用意されており、今人生を決めてしまうのは勿体無いと説き、プロポーズを断る。プロポーズを断られた凪音は涙する。能登は凪音との交流を深め過ぎ、結果彼女を傷つけることになったと後悔した。


(41~46話)

 プロポーズは失敗に終わった凪音は心ここに在らずで月曜日を過ごす。能登は白紙の進路調査表を渡し、近々提出するよう求める。プロポーズを重ねて断り、将来を真剣に考えるようにとの指導であった。


 しかし凪音は翌日火曜日、学校を無断欠席する。さらに水曜日もサボり、街を放浪した。誰も自分に興味を持ってくれないことに失望した凪音は、ナンパ少年・五木と偶然会う。

 五木はこれから不良仲間とクラブに繰り出すため凪音も誘う。凪音は悪いことと知りながらも空虚な心を埋めるように悪魔の囁きに耳を貸してしまう。

 初めてきたクラブで凪音は享楽に耽り、能登のことを忘れようとする。


 一方そのころ、能登は職員室で凪音の事を心配していた。しかし凪音のスマホに直接連絡することは気が咎められ、連絡をつけられないでいた。

 先輩の美墨は能登と凪音の間で何か問題が起こった事を察し、彼を問いただす。能登は凪音との私的な関係は伏せ、凪音が卒業後に結婚を希望している事を明かした。そして自分は早計な決断を否定してしまったと説明した。


 美墨は能登の考えに賛同しながらも、凪音に寄り添う姿勢を見せられなかったことの反省を促した。そして凪音は『凝り固まった教師の考え』ではなく『一人の人間として能登に寄り添って欲しかった』のだと推測して説いた。

 美墨に説諭された能登は凪音に一線を引いてしまった事を悔い、凪音に寄り添う決意を固め、スマホで連絡をした。


 しかしスマホに出た凪音は様子がおかしい。酔っ払ったように呂律が回らず、状況を尋ねると歓楽街のクラブにいると明かした。

 危険な場所にいる凪音を心配し、能登は迎えに行くことにする。


 凪音は能登が迎えにきてくれることに喜びを感じつつ、悪い事をしているために今度こそ嫌われると恐怖し、再び現実から目を背ける。

 そこに五木の先輩でクラブで働くジョーが現れる。ジョーは気さくな性分で凪音に接し、五木たち不良少年たちからも慕われた様子。凪音は気風のいいジョーに愉快な気分を催す。

 ジョーは凪音を特別にVIPルームに案内すると言い出す。五木はそれとなく止めたが、ジョーの口八丁と凪音の好奇心を止めるには力不足であった。凪音は好奇心に負け、ジョーに連れられてVIPルームの見学をする。


 しかしそれは罠だった。ジョーは凪音に手を出すために密室に連れ込んだのだ。必死に抵抗する凪音だが、ジョーは逆上し、彼女を押し倒してしまう。


「助けて……先生……」


 恐怖で抵抗する気力を奪われた凪音は力無く呟き、希望に縋るしかなかった。


 その頃、能登は凪音の無事を祈りながら夜の街を走り続けていた……。

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