第27話愛を確認するクリスマス

23日の夜から僕とさらりは彼女の家で過ごしていた。

「明日からの夕飯は楽しみにしててね」

さらりの家にお邪魔すると彼女は自信たっぷりに口を開く。

「そんなに上手にできたの?」

「まぁね。今はお腹空いてないでしょ?打ち上げ会場で食べてきた?」

それに頷くとさらりは僕を風呂場に案内した。

「一緒に入る?」

その誘いの文句に僕は一度大きく息を吸って…。

「うん…」

そうして僕らは彼女の家のお風呂にて勝手に混浴させてもらうこととなる。

さらりの両親に心のなかで一生懸命に謝罪の言葉を唱えると服を脱いでいく。

「先に入ってるから」

さらりは僕に言葉を残すと風呂の扉を開けた。

深呼吸をして服を脱ぐとタオルを持って中に入る。

さらりは湯船に浸かっており胸を少しだけ顕にしていた。

それが目に飛び込んでくると心拍数が一気に上がる。

だが冷静に努めてシャワーの蛇口をひねった。

何でも無いように気にしてない風を装って全身を洗うと湯船に入っていく。

「お邪魔します」

中に入ると交代するようにさらりが全身を洗う番だった。

目のやり場に困るのだが壁を向いたり窓の向こうを向いたり…。

偶にさらりの身体を眺めたり…。

そんな時間が続くとさらりは全身を洗い終える。

「私ももう少し浸る」

さらりは湯船に入ってくると僕らは少しだけ気まずい雰囲気の中、湯に浸かっていた。

彼女は僕の身体に触れてこようと手を伸ばしてきて少しだけ息を呑んだ。

「待って。ここではやめておこ。ご両親だって帰ってきたら使うんだろうし」

「いや、そんなつもりじゃなくて…なんとなく触れたくなっただけだよ」

「それでも僕が我慢できなくなる可能性がある」

「そうなの?じゃあ上がってからにしよう」

それに頷くとそこから数分間、湯船に浸かってから脱衣所に出る。

全身をバスタオルで拭くとドライヤーで髪を乾かした。

着替えを済ませるとそのままさらりの部屋に向かい…。

夜が明けるまでお互いを求め合うのであった。


「流石に疲れたね。このまま少し寝て…起きたらまた一緒に入ろ?」

「わかった。おやすみ」

僕らは裸のまま布団に潜り込むと昼過ぎまで眠りこけるのであった。


宣言通り、起きたら再び一緒にお風呂に入る。

それが済むと二人きりのクリスマスパーティの時間は始まった。

彼女の作ったビーフシチューをパンで楽しんでいる間に彼女はチキンを焼いていた。

「美味しいね」

簡潔な感想を口にするとキッチンで立っている彼女を眺めていた。

「新婚生活みたい」

「確かに。夏休みのこと思い出すね」

「そうだね。三年生でも同じクラスが良いな」

「きっとなれるよ。なれなくても放課後はずっと一緒だよ」

「ありがとう。勉強三昧になるだろうけどね」

「今は考えたくないな」

そんな現実逃避の言葉を耳にしてもさらりは微笑むだけだった。

「必ず同じ大学に行こうね」

「うん。そう言えば姫野さんと会長も同じ進路先みたいだよ」

「そうでしょうね。面倒だけど…仕方ないわ」

「知ってたの?」

「知ってたと言うよりも予感がしていただけ。きっと同じ進路だろうなって」

「そっか。イヤなの?」

僕の言葉にさらりは首を左右に振ると微笑んで応える。

「ライバル関係が続くと思うと少しだけワクワクするかな」

素直なさらりの言葉を耳にして僕もつられて笑う。

そこから24日、25日とお家デートをして過ごすとお互いにプレゼントを贈り合い改めて愛を確認するのであった。

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