第24話生徒会長最後の仕事の手伝い
翌日の放課後から生徒会室にはボランティアの生徒が集められていた。
「皆、私の最後の仕事を成功に導くために集まってくれてありがとう。特に二年生が多いのは三年生は受験勉強で忙しいためだ。一、二年生には迷惑をかけること心苦しく思う。だがどうか最後まで力を貸してくれると助かる」
南雲は集められた生徒たちに深く頭を下げると許しを請うていた。
「なんだ。真田くんが生徒会に呼ばれたのもこの件だったんだ」
僕の隣には姫野が居て僕は何故か少しだけ心が軽くなる。
きっと知らない人たちばかりの中に放り込まれて緊張していたのだろう。
「姫野さんも直接頼まれたの?」
「うんん。違うよ。私は掲示板の張り紙を見て手伝う気になったの」
「どうしてわざわざ?」
「ん?内申が上がるかなぁ〜とか…それだけじゃないけど。完美さんには色々とお世話になってきたし。中学時代とか体育祭の一件に修学旅行の件なんかも私にとっては嬉しいことばかりだったから。少しでも力になりたいと思ったんだ」
姫野は当然のように口を開くと憧れの人を見るような表情を浮かべて南雲を見つめていた。
「ではこれから役割分担をしますので名前を呼ばれた人は、その役割のリーダーのもとに集まってください」
南雲はそこからボランティアの人たちの名前と役割を口にしていくと最後に各リーダーである生徒会メンバーの名前も口にする。
僕と姫野は生徒会長直属の手伝いに選ばれてリーダーである南雲の元に向かった。
「よく来てくれた。ありがとう。そろそろテスト期間だと言うのにわざわざ手伝ってくれる君たちに深く感謝する。それで君たちに手伝ってほしいのはクリスマス会で行うレクリエーションの内容についてだ。何か案がある人は居ないか?」
その言葉に姫野は手を挙げると積極的に案を出していた。
「室内で出来るものだと限られてくると思います。特に参加者は小学生。楽しめるものは身体を動かす系のものかクイズのようなものかだと思います」
「ふむ。クイズはわかった。クイズの問題は私が考えるとしよう。では身体を動かす系とは?大きな室内で安全に身体を動かすスポーツか?」
「いえ。どれぐらいの人数が参加するのかわかりませんが。フルーツバスケットとかどうでしょうか?優勝者にはクリスマスプレゼントの他に景品を用意するとか」
「中々いいアイディアだ。予算内で収まりそうな企画だし採用しよう。他に何か案がある人間は居るか?それか今の案に意見があるもの」
南雲の言葉を聞いていた僕らは首を左右に振った。
だが一応確認事項として南雲に問いかける。
「クリスマス会に参加する小学生の数はどれぐらいなんですか?」
思わず質問をすると南雲は資料を確認することもなく人数を口にする。
「およそ70人だ。場所は我が校の体育館を提供することになっている。もうじき期末テスト期間に入るので体育も部活も完全に無しになる。その間に体育館に飾り付けをして華やかな催し物にしたいと思う」
「わかりました。では姫野さんの案が決まったのであれば、これから体育館の飾り付けですか?」
「そうなるね。だがその前に飾りを作っている班がまだまだ仕事中だから私達は椅子や机などのセッティングだな」
「分かりました。これから体育館に向かうんですね?」
南雲はそれに頷くと僕らは体育館に向かい机と椅子のセッティングに取り掛かるのであった。
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